童介抄

童介抄惣括
方正法  六十品
方便法  卅三品
無法問   七品
予法問   百品
右者
一巻目卅六品
内方正法三十三品 方便法
二品 無法問一品
二巻目廿三品
内方正法十七品 方便法五品
無法問一品
三巻目十八品
内方便法十七品 無法問
壱品
四巻目廿三品
内方正法十品 方便法九品
無法問四品
五巻目百品
理者其妙而行安
無法者一品も無也
世にあらわるゝ所の算書数多し
然るに算法闕疑の内百好は人の能
及かたき處なりとて予が門弟被書を
持来して其抄をこふ 予其書を見
るに平円法七九零五 玉法五一と有
是誠に今村氏の私説叶所なり
理に因て是を観るに大にあやま
れり 爰以其平円を刻玉形を研
の述皆以之理に背くといへとも 其
智を量りて世にあはせ置ぬ 但し
予が好所の百色法問は理のまゝに答
を付置者也 初士其是非を知らんと
欲せは平円には矢弦径の法を用て
分々に切相乗半の式を用て一分の
歩を知りかれを合て其円欠の歩
を知所へ又皆合しては平圓法を知り
たまへ 又玉形には矢弦径の法を用
て分々に切圓台式を用て一分の
坪を知り かねを合て其玉闕の坪を
知り給へ 又皆合しては玉形法を知り
たまへ 然らはあたらすといふとも世人
の法より実法に近かるへし 又予が
百色法問には無法は一色もなし 一途
に是をかんかへ所へ辨理は少むつかしき
などもあるへけれとも其算する
のてだてにむつかしきはなし 誠に理は
辨へやすくして てだてのむつかしきを好
置は下手也 学者かならす儘もの
なり されは教て其道に進心あ
らし知るこそ世のたすけならん 時に
寛文三ミつのとの卯八月吉日ー二三四
の四巻は述之五の一巻は作之畢
武州の住人野沢忠兵衛尉定長

童介抄巻之一目録
第一、二 角切平方   第三角切 縦横
第四、五、六、七、八、九、十 勾股積
第十一 片狭      第十二 方化菱
第十三 縦横菱規    第十四 小頭菱規
第十五 片狭菱規    第十六 鈎股中三方
第十七 勾股中円    第十八、十九 菱中円
第廿、弐十壱 鈎股中方 第廿二、弐拾三 鈎股中圓
第廿四 三方中四方   第廿五 三方中円
第廿六 縦横加平錐   第廿七 山形登
第廿八、二十九 山形闕
第卅、卅一、卅二、卅三、卅四 鈎股闕
第卅五、三十六 片狭双

童介抄巻之一 野沢忠兵衛尉述
算法闕疑抄百好之答

今角切折敷の惣まはり
壱丈零六寸八分有 角より
角へ径三尺四寸四分二リ六毛有
方尺何程 切口何程と問
答曰
切口八寸零四り八毛〇七九六一五六
方尺一尺八寸六分五り一九二〇三八五
法曰角径三尺四寸四分二リ六毫へ定法二
八二八四をかけて九尺七寸三分七り零
四九八四二成 是を惣廻り一丈零六寸
八分の内引残る九寸四二九五零一六
あるへ定法八分五三五をかけて角切
ロは寸零四八〇七九六一五六也 さて惣廻
一丈零六寸八分を四つに割二尺六寸
七分二成 此内右の八寸零四八〇七九六一
五六を引残て壱尺八寸六分五一九
二〇三八五有是則方なり


今角切折敷のかけふち三
方ともに弐尺三寸有 闕口壱尺
七寸有ふちの寸何程宛を問
答曰 ふちの切口弐寸五分一厘
法曰 かけロー尺七寸を自乗して二百八十
九歩是を倍して五百七十八歩に成 是を
開平に割二尺四寸零四リに成 此内三方
の合尺二尺三寸を引残る一寸零四リ
を四分一四二を以て割 切口二寸五分一リに成


今角切縦横のふち壱丈令
六寸径三尺六寸二分有 たてより
よこは三尺三寸短シテ 縦横何程宛
答曰
縦弐尺七寸零五り三毫
横壱尺四寸零五り三豪
切口五寸九分四り七豪
法曰 径三尺六寸二分を自乗して弐千六
百廿歩零八八 此内ミぢかき一尺三寸の
自乗百六十九歩を引残る弐千四百五十
壱歩八八に四をかけて九千八百零七歩
五二 是を開平に割 九尺九寸零三リ
三毛に成 是を惣周一丈零六寸の内引
残て六寸九分六七有 是を定法八
二八四を以て割 八寸四分一リに成 是に
短一尺三寸加て二尺一寸四分一り 是を一
倍にして四尺二寸八分二リに成 是を右の
九尺九寸零三三の内引 残る五尺六寸
弐分一り三毛を四つに割横一尺四寸零五
り三毛に成 是に一尺三寸加て さて二尺七
寸零五り三毛に成 さて此たてよこ合
て四尺壱寸一分零六毛 是を倍して八
尺二二一二是を惣廻り一丈〇六寸の内引
残る二尺三七八八を四つに割切口五寸九
分四り七毫になる


鈎股弦共に三方打廻り 弐百四拾壱間
有扨鈎より弦は 三十五間長し 此
鈎股弦めいめいの尺何程つゝ
答曰
鈎六十五間〇〇二六七五
股七十五間九分九り四六五
弦百間零零零二六七五
法曰鈎股弦の合弐百四十一間へ四をかけ
て九百六十四間是へ差三十五間加へ九百九
十九間に成是に差三十五間をかけて三
万四千九百六十五歩を開平に割百八十
六間九八九三になる 此内卅五間引残を二つ
に割は股七十五間九九四六五に成 是を弐
百四拾壱間の内引残る百六十五間〇〇五
三五へ短三十五間加て弐つに割弦百間
OOO二六七五に成 此内三十五間引は残て
鈎六十五間OO二六七五有


鈎股弦ともに三方打廻り二百六十八
間四分有扨鈎より股は拾三間長し
鈎股弦めいめいを問
答曰 弦百十一間三九七
股八十五間○○一五
勾 七十二間○○一五
法曰 三方とに二百六十八間四分を自乗し
て七万弐千零三十八歩五六 是を倍シテ
十四万四千零七十七歩一二是へ十三間を
自乗したる百六十九歩を加て十四万四千
二百四十六歩一二 是を開平に割三百七十
九間七九七 此内右の弐百六十八間四分引
残て百十壱間三九七を弦と見る さて
二百六十八間四分の内 弦百十一間三九七を
引残る百五十七間○○三へ長き十三間加
百七十間○○○三是を二つに割股八十五間
OO一五也 此内十三間引残て勾七十弐間○○
一五に成なり


鈎股弦ともに三方打廻り弐百七拾五
間一分有扨股より弦は廿間零一分
長し銘々を問
答曰
鈎六十四間九八七五
股九十五間○○六二五
弦百十五間一分○六二五
法曰 弐百七十五間一分へ四をかけて千百間○○
四分に成 是に廿間零一分を加て 千百廿間○五分
是に廿間零一分をかけて弐万弐千五百廿
工歩○五に成 是を開平に割 百五十間○○七三
に成 内廿間零一分を引残りを弐つに割
六十四間九八七五に成 是鈎也 さて弐百七十五
間一分の内六十四間九八七五を引 残りへ廿問
零一分を加て弐百三十間○二一二五 是を弐つに
割弦百十五間一〇六二五 此内廿間○一を引
残て股九十五間○○六二五なり


今歩数三百卅六歩有是を鈎股弦
に作り股より弦は弐間長し 鈎股
弦めいめい何程宛
答曰 鈎十四間
股四十八間
弦 五十間
法曰 歩数三百三十六歩へ四をかけて千三
百四十四歩是に長き弐間をかけて弐千
六百八十八坪に成是則厚より幅は
弐間ひろくはばより竪は弐間長き厚
幅竪なり さる程に帯縦開立の法を
以て除之其法に曰右弐千六百八十八坪に
九をかけて弐万四千百九十二坪 さて二間
を自乗して四歩に成 三をかけて十二歩
に成 是を滅法とす さて初商四十間と
見立 十弐歩へ商四十間をかけて四百八十
坪積に加て実弐万四千六百七十二坪也
商四十間を再自乗して六万四千坪 是
三つに割て弐万千三百三十三坪三三三を実
にて引不盡三千三百三十八坪六六六有
さて 四十間の次の商二間と見立 四十二
間と置それへ初商四十間をかけて千六百
八十歩此内滅法十二歩引 残る千六百六十
八歩を以て不盡を割は次の商二間と
なる さて弐間の小角八坪を三つに割て
弐坪六六六を引て 引拂也 商合で四十
弐間是を三つに割鈎十四間と知る さて
股を知るには十四間を弐つに割七間に成 是
を以て三百三十六歩を割 設四十八間
に成 是に二間加て弦五十間に成なり


今歩数六十歩有 是を鈎股弦
に作り 鈎より弦は弐百十五間六
分長し 鈎股弦銘々何程そ
答曰
鈎五分五り五毛一糸六忽
股弐百十六間一分五り三毛三糸三
弦弐百十六間一分五り五毛五糸
法曰 六十歩へ四をかけて二百四十歩 是に
弐百十五間六分をかけて五万千七百四十
四坪 是に九をかけて四十九万五千六百九
十六坪 きて弐百十五間六分を自乗し
て四万六千四百八十三歩三六に成 是に三を
かけて十三万九千四百五十歩○○八に成 是滅
法也 さて初商六百聞と見立十三万九千
四百五十歩○○八へ 商六百間をかけて八千三
百六十七万零零四十八坪に成 是を積に加
実八千四百十三万五千七百四十四坪に成 さて
六百間を再自乗して弐億千六万坪 是
を三つに割七千弐百万坪実にて引不盡
千弐百十三万五千七百四十四坪有 さて次
の商四十間と見立 六百四十間と置 初商六
百間をかけて三十八万四千歩有此内減法
十三万九千四百五十歩○○八を引 残る廿四万
四千五百四拾九歩九二を以て右の不盡を
一桁割は 商四十間としる さて四十間の
小角六万四千坪を三つに割 二万千三百
三十三坪三三三を引不盡弐百三十三万二
千四百十坪○九八六六六有 又三の商八間
と見立六百四十八間と置 是に六百四十間
をかけて四十壱万四千七百廿歩に成 此内
減法十三万九千四百五十歩○○八を引残
廿七万五千弐百六十九歩九二を以て右の
不盡を一桁割は 商八間と知るさて八
間の小角五百十二坪を三つに割 百七十
坪零六六六を引不盡十三万〇〇八十坪○九
六有さて四の商四分と見立六百四十
八間四分と置 それへ六百四十八間をかけて
四十弐万零百六十三歩二に成 此内減法
十三万九千四百五十歩○○八を引 残る廿八
万零七百十三歩一二を以て右の不盡を
一桁割は商四分と知る 四分の小角六リ
四毛を三つに割 二リー毛三三三を引 不盡
一万七千七百九十五坪六九零六六六有
さて五の商六リと見立 六百四十八間四分六
リと置それに六百四十八間四分をかけて
四十弐万零四百六十一歩四六四に成 此内
減法十三万九千四百五十歩OO八を引残
廿八万千〇十一歩三八四を以て右の不盡
を一桁割は商六リと知る 六リの小角二
糸一忽六微を三つに割七忽二微を引
不盡有さて商合て六百四十八間四六なり
さて此好の歩六十歩へ六をかけて三百
六十歩を右の六百四十八間四六を以て割
鈎五分五り五毛一糸六忽に成 是に弐百十五
間六分加て 弦弐百十六間一分五五一六なり
又六百四十八間四六を三つに割股弐百十六間
一分五り三毛三糸三忽なり


鈎股弐方打廻し共に 百四十間有
鈎より弦は四十間長くして鈎
股弦をのをの何程宛
答曰 鈎六十間 股八十問弦百開
法曰 勾股の合百四十間に長き四十間加
て百八十間 それに四十間をかけ七千二百
歩是に八をかけて五万七千六百歩を
開平に割弐百四十間に成 弐つに割百廿間
此内四十間を引残て股八十間扨百四十
間の内八十間引残六十間鈎也 是四十間加弦百聞


鈎股二方打廻し共に 四百廿間あり
股より弦は 六十間長くして鈎
股弦をのをの何程宛
答曰 弦三百間
鈎百八十間
股弐百四十間
法曰 勾股の合四百廿間に長き六十間加て
四百八拾間 是に六十間をかけて弐万八千
八百歩 是に八をかけて廿三万零四百歩
是を開平に割四百八十間に成 弐つに割
弐百四十間 此内六十間引残て鈎百八十間
さて四百廾間の内 百八十間引残て股二百
四十間 是に六十間加て弦三百間なり

十一
今かたせばのいた有 此寸を取見候時 縦と
廣横を合六尺九寸 廣横と弦を合七尺 狭横
と弦を合六尺一寸狭横と縦を合六尺也 銘々問
答曰
廣横二尺九寸 狭横弐尺
弦四尺壱寸  縦四尺
法曰 弦とひろ横との合七尺の内ひろ横
とたてとの合六尺九寸を引 残る一寸は
弦とたてのちかいなり 又ひろ横と縦
の合六尺九寸の内 狭横とたての合六
尺を引 残る九寸鈎也 此鈎九寸を自乗
して八十一歩を弦と縦のちかい一寸を以て
割 八尺一寸に成 此内弦と縦とのちかい一寸
を引 残る八尺を弐つに割 縦四尺に成
さて廣横と縦の合六尺九寸の内 四
尺引 残る二尺九寸廣横なり さて七尺
の内二尺九寸引 残て弦四尺壱寸なり
また狭横と縦の合六尺の内四尺引 残
て二尺せばよこなり

十二
今百廿間四方の屋敷の中に 指渡
し四十間の丸池有 此池を残る坪
の内にてふさき 四方の間数を亂
さず 菱形仕り 長と横を問
答曰
縦弐百零壱間分
横百三十間零四分
法曰方百廿間を白乗し壱万四千四百
是を倍して弐万八千八百歩 此内池歩千
弐百六十四歩
【四十間自乗して千六百歩 是に円法七九をかけて千二百六十四歩なり】
を引き
残る弐万七千五百三十二八歩を開平に割 八
百六十五間鈎分有 此内池歩千弐百六十四歩
を開平に割たる三十五間五分を引 残て
横百卅間零四分 また百六十五間九分ヘ
右の三十五間五分を加ゆれは弐百零壱間
四分のたてなり

十三
今縦六尺二寸五分 横四尺八寸二分の板
有 角より角迄ノ尺を菱の長に用
二隅切落し 菱の壱面を問
答曰 菱壱面四尺九寸八分三り六毛
法曰 縦六尺二寸五分を自乗して三千九
百零六歩二五の内 横四尺八寸二分の自
乗二千三百廿三歩二三を引 残りを弐つに
割七百九十一歩五〇五を縦六尺二寸五分を
以て割 一尺二寸六分六り四毛零八忽
を 縦六尺二寸五分の内にて引 残て
四尺九寸八分三つ〈り〉五毛九糸二忽 是則
ひしの一めんなり

十四
今鈎卅七間股四十五間の小頭堀
有 此弦の内を菱の一面にかた取 菱
堀に埋侯て鈎と股 何程埋り侯や
答曰
鈎の上にて廿間○八七五四 下にて十六間一二四六
股の内十九間六分壱厘
法曰 鈎卅七間を自乗して千三百六十九歩
又股四十五間自乗して二千〇廿五歩
右二口合三千三百九十四歩を開平に割て
弦五十八間二五八に成 是に股四十五間加て
百〇三間二五八也 さて鈎卅七間と股四十五
間をかけて千六百六十五歩 是を右の
百〇三間二五八を以て割 十六間一弐四六
に成 是則鈎下の方の埋る間なり さて
鈎卅七間の内 下の方の埋る十六間一二四六
を引 残ル廿間○八七五四 是鈎上の方の理
間也 さて十六間一二四六を自乗して二
百六十歩に成 是を弐千〇廿五歩の内引 残
り弐つに割 八百八十二歩五分有 是を四十
五間を以て割 十九間六一に成 是股の方埋也

十五
今片狭の堀 狭横十間 廣横五十
間 長百廿間 比登の内をひしの
一面にかた取 狭横の方よりと廣横
の方よりと埋候て 菱一面何程
答曰 菱面六十五間壱歩七厘
法曰 五十間を自乗して二千五百歩
又百廿間を自乗して 壱万四千四
百歩 右二口合壱万六千九百歩開平
して百三十間になる さて五十間の内
狭横十間引 残る四十四間を自乗
して千六百歩 是に壱万四千四百歩
を加て壱万六千歩也 さて十間を
自乗して百歩を右の壱万六千
九百歩へ加て一万七千歩 比内右の一万
六千歩を引 残る千歩を弐つに割は
五百歩を右の百三十間を以て割は
三間八四六に成 是を自乗して十四歩
七九一七一六に成 是を右の百歩の内引 残る
八十五歩二〇八二八四を開平して九間二三
零八に成 是を百三十間へかけて千弐百
歩に成 是を百廿六間一五四
【是は百卅間の内右三間八四六を引 残て百廿六間一五四也】
を以て割は九間五一二に成 是を自乗し
九十歩○四七五一四四 是に右の壱万六千
九百歩を加て壱万六千九百九十歩○四七
五一四四に成 是を開平に割百三十間○三四
七五 是を弐つに割 菱面六十五間一七三七五

十六
今鈎六間 股八間の小頭せん水有
此中へ三すみへつかへ申やうに
三角地形を筑候て 壱面何程そ
答曰 一面三間五分四り九毛二糸
法曰 六間と八間をかけて四十八歩也 さて
六間と八間と合て十四間 是に定
法九分六六をかけて十三間五分二
厘四毫に成 是を以て右の四十八歩
を割は 三方面三間五四九二に成

十七
今縦壱丈弐尺 横三尺の小頭
なりに丸を圖のことく三つ入る
時 めいめいのさし渡し何程宛
答曰
大圓径弐尺六寸三分
中圓径弐尺零五分五り七毛
小圓径五寸六分八り五毛
法曰 鈎三尺を自乗して九百歩 股一丈
弐尺を自乗して壱万四千四百歩 右
二口合て壱万五千三百歩を開平して
壱丈弐尺三寸五分九り三毛 是に鈎三尺
を加て一丈五尺三六九三 又是に股一丈
弐尺を加て二丈七尺三六九三 是を二
つに割一丈三尺六寸八分四り六毫五糸也
さて一丈弐尺へ三尺をかけて三千六百
歩 是を右の一丈三尺六寸八分四り六毛
五糸を以て割は 大円径弐尺六寸三分
になる さて三千六百歩を置 それを股
弦の合【股一丈二尺 弦一丈二尺三八九三】
二丈四尺三寸八分九り三毛
を以て割は壱尺四寸七分七りに成 是
を自乗して弐百十八歩一五二九 是に右
壱万四千四百歩を加て壱万四千六
百十八歩一五二九を開平して一丈二尺
零九零五に成 さて大円を弐つに割
一尺三寸一五に成 是を一丈弐尺の内引 残る
壱丈○六八五へ右の一丈二尺○九〇五をかけ
て 壱万弐千九百十八歩六九九二五有 是
を一丈二尺を以て割一丈○七六五五
八に成 比内大円の半分一尺三寸一五を引
残る九尺四寸五〇五八あるへ大円弐尺六
寸三分をかけて弐千四百八十五歩五〇一
五四有 是を右の一丈二尺○九〇五を以て
割は 中円径二尺○五五七に成 又三千
六百歩を右の一丈五尺三六九三を以て
割二尺三寸四分二三三に成 是を自乗し
五百四十八歩六五一に成 是に右の九百歩を
以て千四百四十八歩六五一に成 是を開平
して三尺八寸○六一に成 扨鈎三尺の内 大
円の半分一尺三寸一五を引 残る一尺六寸
八分五リヘ 右の三尺八寸○六一ヘかけて六百
四十一歩三二七八五有 是を三尺にて
割は弐尺一寸三分七り七九五有 比内大
円の半分一尺三寸一五を引 残る八寸二
二七五九五へ大円弐尺六寸三分をかけて弐
百十六歩三八五七四八五有 是を右の三尺
八寸○六一を以て割 小円径五寸六八五に成

十八
今長径八尺五寸 短径四尺二寸の
ひしに星を四つ入申時 横にならぶ
を付合長に人ルは如圖済る時を問
答曰
小円径一尺九寸八分五り四毛
大円径二尺二寸一分九厘
法曰 八尺五寸を自乗して七千弐百弐五
歩四尺二寸を自乗して千七百六十四
歩 右二ロ合て八千九百九十九歩を開平
して九尺四寸八分一リ也 さて八尺五寸に
四尺二寸をかけて三千五百七十歩 是を
一丈七尺九寸八分一厘
【是は長径八尺五寸と後の九尺四寸八分一リを合】
を以て割
小円径一尺九寸八分五りに成 是に定法一八
をかけて三尺五寸七三に成 是に長径八尺五
寸をかけて三千零三十七歩零五になる
是を四尺二寸を以て割七尺二寸三分
になる 是を自乗して五千二百廿七歩
一一九 さて三尺五寸七三を自乗して干二
百七十六歩六三二九 是に右五千二百廿七歩
二九を加て六千五百〇三歩九二二九 是を
開平して八尺○六四八に成 是に三尺五寸
七三を加て一丈一六三七八に成 さて七尺
二寸三分へ右三尺五寸七三をかけて二千
五百八十三歩二七九に成 是を右の一丈
一六三七八を以て割 大円径二尺二寸一九に成

十九
今長径八尺五寸 短径四尺二寸有 ひ
しに此図のことく長に入ルを付合横に入
を済て入候時 めいめいの径を問
九尺九寸三四に成 さて四尺六寸九六二へ右
の弐尺三寸二分をかけて千〇八十八歩九一八
四に成 是を右の九尺九寸三四を以て
割は 小円径一尺○九分六厘に成

二十
今鈎四尺有 小頭成より方二尺二寸
の方平を切取申時 股の尺元
来何程有つもりにて候哉
答曰 股四尺八寸八分八り八毛
法曰 鈎四尺へ平方二尺二寸をかけて
八百八十歩を置 それを鈎四尺の内平
方二尺二寸引 残る一尺八寸を以てわれは
股四尺八寸八八に成

廾一
今方三尺の方平を小頭なりより
切取申が 鈎より股は弐尺長クシテ
鈎股銘〃何程宛そと問
答曰
鈎五尺一寸六分二り
股七尺一寸六分二り
法曰 三尺を自乗して九百歩也 九尺を弐
つに割一尺 是を自乗して百歩 是を
九百歩へ加て千歩 是を開平に割三
尺一寸六二 是に三尺加て六尺一寸六二に成 比
内へ右の一尺を加て股七尺一六二なり
さて 此内鈎股のちかい二尺引て 鈎
五尺一寸六分二リなり

廾二
此内の圓径弐尺五寸 此鈎三尺二
弐寸有 此股を問
答曰 股六尺九寸六分四り三毫
法曰 鈎三尺二寸を自乗して千零
廿四歩へ鈎と円のちかい七寸の自乗
四十九歩を加て千零七十三歩 是を
ちかい七寸を倍して一尺四寸 是を以て
割バ七尺六寸六分四り三毛に成 是弦
又鈎白乗千零廿四歩の内四十九歩を
引 残ル九百七十五歩を一尺四寸に割 股六尺九六四三

廾三
此内の円径弐尺有 小頭の鈎より
股一尺長し 此鈎股を問
答曰 鈎三尺  股四尺
法曰 圓径二尺へ長き一尺加て三尺 是
を自乗して九百歩也 さて好長
一尺の自乗百歩を右の九百歩の
内引 残て八百歩有 さて長き
一尺と円径二尺とを以て多を滅し
残る一尺を自乗して 百歩を右の
八百歩へ加て開平して三尺に成 是
に長き一尺を倍して弐尺を加て弦
五尺に成 是を自乗して二千五百歩 是
を倍して五千歩の内 長き一尺の自
乗百歩を引 残る四千九百歩を開平
に割七尺 是に一尺加八尺に成 弐つに割
股四尺 此内一尺引 残て鈎三尺なり

廾四
此上の小方一尺五寸有 三方の方と
大方を問
答曰
大方三尺四寸六分四厘
三方面八尺
法曰 小方一尺五寸を置 三方の定四三三
を以て割は大方三尺四六四となる
是を又四三三にて割 外の三方八尺也

廾五
比上の小円径一尺五寸あり 三
方の方と大圓の径と各
何程宛と問
答曰
大円四尺五寸
三方七尺七寸九分四リ
法曰 一尺五寸を三をかけて大円径四尺
五寸に成 是に法一七三二をかけて三
方の方七尺七寸九分四りになる

廾六
今縦百五十間 横八十間の屋敷
有 角の外へ数八千坪 此圖
のことく筑出しは左の間と右
の間と中の間と めいめい何程そ
答曰
左百六十六間六分六リ
中百十三三分三リ
右弐百五十五間六分二リ
法曰 八千坪を置 八十間に割百間になる
又八千坪を百五十間に割は五十三間三
三三に成 さて八十間と五十三間三三三を
加て百三十三間三三三を自乗して
壱万七千七百七十七歩七七七に成 又別に
百間自乗し壱万歩 是に右の歩数
を加て弐万七千七百七十七歩七七七開平
に割は 左の間百六十六間六六六也 又五十
三間三三三を自乗して二千八百三十三
歩三三 是に一万歩を加て 壱万二千三
百三十三歩三三三 是を開平に割 中の
間百十三間三三三也 また右の百間に
百五十間を加て二百五十間を自乗して
六万弐千五百歩 是に右の二千八百三十
三歩三三三を加て開平シテ 右の間弐百五十五間六二

廾七
間歩九百歩を以て山形の地を取
長登五十間 短登四十間にして
鈎股を問
答曰
釣三十七間零八り壱毛
股四十八間五分四り三毛
法曰 九百歩を倍して千八百歩を長登
五十間にて割は三十六間に成 又短登
弐十間の自乗して千六百歩の内 右の
三十六間の自乗千弐百六十六歩を引
残る三百〇四歩を開平に割十七間四三五
六 是を長登五十間の内にて引 残る
三十二間五六四四を自乗して千〇六十
歩○四四〇一四七三六 是に千二百九十六
歩を加て二千三百五十六歩四四〇一四七三
六を開平に割 股四十八間五四三になる
さて五十問の自乗して弐千五百歩
の内 右の千六百歩を引 残る九百歩を
弐千三百五十六歩四四〇一四七三六へ加て二つに
割バ千六百廿八歩二二〇七三六八に成 是ヲ股四十
八間五四三に割バ卅三間五四に成 是を自乗
して千百廿四歩九三一六 是を三千五百
歩の内引残る千三百七十五歩零六
八四を開平に割は 鈎卅七間○八一に成

廾八
今圖のことく 屋敷のはつれに
堀有 上長登八十五間 上短登
五十八間下短登卅五間 下長登
六十弐間 中鈎廿八間有 股何程
答曰 七十間零零三厘の股也
法曰 八十五間を自乗して七千弐百廿五歩
此内六十二間の自乗三千八百四十四歩を
引 残る三千三百八十一歩を廿八間を以て
割百甘間○七五に成 此内廿八間引 残を二
つに割四十六問三七五に成 是を自乗し
弐千百五十歩○六四〇六弐五 是を三千八百
四十四歩の内引残る千六百九十三歩三五
九三七五を開平に割四十一間一五に成 又五
十八間を自乗して三千三百六十四歩
此内三十五間の自乗千弐百廿五歩を
引 残る弐千百三十九歩を廿八間を以て
割は七十六間四に成 此内廿八間引 残る四十
八間四を弐つに割は廿四間二に成 是を自
乗して五百八十五歩六四に成 是を千二百
廿五歩の内 引残る六百三十九歩三六を
開平に割廿五間二八に成 是に右の四十一
間一五を加て六十六間四三に成 是を
自乗して四千四百十二歩九四四九に成
さて右の四十六間三七五の内廿四間二
を引 残る廿二問一七五を自乗して
四百九十一歩七三〇六二五 是に右の四千四百
十弐歩九四四九を加て四千九百〇四六
七五五二五を開平に割 股七十間○○三に成

廾九
今山形闕の地形 長登五十間 短
登廿五間 狭鈎十五間 股六十間
有 比中鈎を問
答曰 中鈎三十八間二九四八

法曰 鈎十五間の自乗して弐百廿五歩也
股六十間の自乗して三千六百歩 右二
口合て三千八百廿五歩を開平に割 六十
壱間八四六五に成 さて長登自乗し
二干五百歩の内 短登の自乗六百廿五
歩を引 残ル千八百七十五歩を右の三千
八百廿五歩へ加て弐つに割弐千八百五十
歩に成 是を六十壱間八四六五を以て割
八四十六間零八に成 さて股六十間の白
乗三千六百歩を右の六十一間八四六五
を以て割は五十八問二零八六になる
さて五十間の自乗弐千五百歩の内 四
十六間零八の自乗弐千百廿三歩三六六
四を引 残る三百七十六歩六三三六を開
平に割十九間四零七に成 又六十間の自
乗三干六百歩の内 五十八間二零八六の
自乗三千三百八十八歩二四一一一三九六を引
残る二百十一歩七五八八八六〇四を開平に割
十四間五五一に成 さて比十四間五五一と
右十九間四〇七と合て卅三間九五八也
是を自乗して千百五十三歩一四五七
六四に成 さて是を弐千五百歩の内引
残る千三百四十六歩八五二三六へ三千六
百歩を加て弐つに割は弐千四百七十三歩
四二六一八を右六十間を以て割は四十一間
二二三七七に成 是を自乗して千六百九
十九歩三九九二一三○一二九 是を五十間の
自乗弐千五百歩の内引残る八百歩○○六〇
〇七八七を開平に割 鈎廿八間二九四八に成

三十
今深サ六間の如圖の堀有 西の間
百五十四間一尺九寸三分 東方百廿五間
北の間廿九間六寸三分 南の間七十五
間 如此也 然に北より折曲迄埋申
時 土坪何程 又水たゝきの間を問
答曰
水たゝきの間廿八間四尺二寸六分三六
埋土坪数千六百九十八坪二四九
法曰 七十五間自乗して五千六百廿五歩
縦百廿五間を自乗して一万五千六百
廿五歩 右二口合弐万千弐百五十歩 扨西の
方百五十四間一尺九寸三分と置 間より下を
六に割百五十四間三二一に成 是を自乗
して弐万三千八百十四歩九七一〇四一になる
又北の廿九間六寸三分と置 間より下を
六に割 廿九間一〇五に成 是を自乗し
八百四十七歩一〇一〇二五に成 さて右弐万千
二百五十歩と弐万三千八百十四歩九七一〇
四一と 此二ロ合て四万五千〇六十四歩九七
一〇四一に成 比内八百四十七歩一〇一〇二五を
引 残を弐つに割二万二千百〇八歩九
三五〇一五を右百五十四間三二一を以て
割百四十三間二六五八八七に成 是を自
乗して弐万〇五百廿五歩一二三四八二二
六に成 さて百五十四間三二一の内 百四十三
間二六五八八七を引 残る十壱間○五五二三
を自乗して百廿弐歩二一五五四五五五
三に成 是を右の弐万〇五百廿六歩一二三二四
八二二六へ加て置 其内又八百四十七歩一〇
一〇二五を引 残て壱万九千八百歩○○
二三七七六八七九一六有 是に割右弐万千二
百五十歩を加て弐つに割弐万〇五百廿
五歩一一八八八四三九五八に成 さて右の弐
万千弐百五十歩を開平に割 百四十五間
七七三八 是を以て右の弐万〇五百廿五歩
一一八八八四三九五八を割ば百四十間○八〇一一
五に成 是を自乗して一万九千八百廿四
歩九六三八四一三二二五に成 是以て右の
弐万〇五百廿五歩一二三二四八二一一六の内
引残て七百歩○○一五九四〇六八八九一 是を
開平に割 廿六間四六〇五二五に成 さて
右の壱万五千六百廿五歩と置 それを
百四十五間七七三八を以て割 百〇七間
八六六に成 是を自乗して一万千四百八
十八歩九六一七〇三六 是を一万五千六百廿
五歩の内引残て四千百三十六歩コ二八
二九六四 是を開平二割六十四間三一二に
なる 是に右の廿六間四六〇五二五を加
て九十間○七七二五二五に成 是を自乗
して八千弐百三十九歩六五一二九四八七
五六二五に成 さて百〇七間一八六六の内
右四間九七二六
【是は百四十五間七七三八の内百四十間○八〇二五を引残也】
百零二間二一三九五を自乗して一万
零四百四十七歩六九一五七四六零二五と成
是に右の八千弐百三拾九歩六五一二九四八
七五六二五を加て壱万八千六百八十七歩三
四二八六九四七八一二五に成 是を以て右二万
〇五百廿五歩一二三二四八二一一六の内を引
残て千八百三十七歩七八零三七八七三
三五に成 是を以て右五千六百廿五歩ヘ
加て七千四百六十二歩七八〇三七八七三三
五に成 是を横七十五間を以て割て 又
それを弐つに割は四十九間七五一八六九
に成 是を自乗して弐千四百七十五歩
二四八四六八九九三一六一に成 是を右の弐万零
五百廿五歩一二三二四八二一一六の内 引残て
一万八千〇四拾九歩八七四七七九二一八四四 是
を開平して百三十四間三四九八に成 扨
四十九間七五一八六九へひかしの間百廿五間
をかけて六千弐百十八歩九八三六二五に成
是を百三十四間三四九八を以て割四十
六間二八九四に成 是を横七十五間の内引
残て廿八間七一〇六 是則問所の水た
たき也 間下に六をかけて廿八間四尺二寸
六分三り六毛也 さて北の堀土坪数を知
には 右四十六間二八九四を自乗して
二干百四十弐歩七○八五五二三六に成 是に
ー万五千六百廿五歩を加て一万七千
百六十七歩七〇八五五二三六 是を開平
に割百三十三間二九五に成 是を百五十
四間三二一の内引 残て廿一間○二六有
さて右八百四十七歩一〇一〇二五の内 右
の百廿二歩二一五五四五五五三を引 残ル七百
廿四歩八八五四七九四四七を開平に割廿
六間九二三に成 是に右廿一間○二六をかけて
五百六十六歩○八三に成 是に深さ六間の
半分三間をかけて埋る土千六百九十八坪二四九

卅一
比屋敷 北の方を筋違に切口廿間切
て金三百両に賣 此壱つぼに付金子
何程そ また表ロ何間そと問
但し家屋敷の間は圖に書付置也
答曰
東表ロ六十弐間
一坪に付金壱分弐朱壱黍八二〇一六
法曰 百三十八間を自乗して一万九千〇
四十四歩 又六十間を自乗して三干六
百歩 右二ロ合弐万弐千六百四十四歩を
開平に割 百五十間○四七九 是を以て
右壱万九千〇四十四歩を割 百廿
六間五五八に成 是を自乗して壱万
六千〇十六歩三六九七一三六四に成 是
を右壱万九千〇四十四歩の内引残
三千〇廿七歩六三〇二八六三六 是を
開平に割五十五間○二三九〇六に成 さて
百廿五間一尺八寸四分を 間より下を六
尺五寸を以て割 百廿五間二八三に成 是
を自乗して壱万五千六百九十五
歩八三〇〇八九に成 さて三十間の自乗
九百歩と六十間の自乗三千六百歩
と百三十八間の自乗壱万九千〇四十
四歩と三口合て弐万三千五百四十四歩
の内 右の壱万五千六百九十五歩八三〇
〇八九を引 残て七千八百四十八歩一六
九九一一を弐つに割三千九百廿四歩○
八四九五五五 是を右百五十間零四七九
を以て割 廿六間○七七三に成 是を
自乗して六百八十歩○○二五五七五二
九 是を三十間の自乗九百歩の内引
残て弐百十九歩九七四四二四七一に成 是
を開平に割十四間八三一五四に成 是に
右の五十五間○二三九〇六を加て六十
九聞八五五四四六 是を自乗して四千
八百七十九歩七八三三三五八五八九一六に成
さて右百廿六間五五五八の内 廿六間
○七七三を引 残て百間○○四七八五あり
是を自乗して一万〇〇九十五歩
九二八九六二二五 是に右の四千八百七十
九歩七八三三三五八九一六を加て壱万
四千九百七+五歩七一二二九八一〇八九一六
是を右の一万五千六百九十五歩八三〇
〇八九の内 引残て七百廿歩○一一七七九〇
八九一〇八四に成 是に六十間の自乗三千
六百歩を加て置 それを弐つに割
弐千百六十歩○○五八八九五四四五五二
に成 さて右百廿五間二八三へ三千六
百歩をかけて四百五拾壱万零百八
十八坪に成 是を右の弐千百六十歩OO
五八八九五四四五五四二を以て割 弐百〇
八間八二に成 是則惣弦也 此内西の方
百廿五間二八三を引 残て八十三間五
三七 是西弦の継なり さて二百〇八間
八二を自乗して四万三千六百〇五歩
七九二四 此内三千六百歩を引 残る四万
〇〇〇五歩七九二四を開平に割 二百間
に成 比内百三十八間引 残て六十二間
表ロの間なり さて八十三間五三七を
自乗して六千九百七十八歩四三〇三六
九 また六十二間を自乗して三干八百四
十四歩 また三十間を自乗して九百
歩を右三千八百四十四歩の内引 残る
弐千九百四十四歩へ右の六千九百七十
八歩四三〇三六九を加て それを弐つに
割 四千九百六十一歩二一五一八四五に成
是を右の八十二間五三七を以て割
五十九間三八九に成 是を白乗して
三干五百廿七歩○五三三弐一に成 是を三千
八百四十四歩の内 引残る三百十六歩九四
六六七九を開平に割十七間八〇三に成
是に八十三間五三七をかけて千四百八十
七歩二〇九二一一 是を弐つに割七百四十
三歩六〇四六〇五五に成 是を以て金三百
両を割四〇三四四に成 是に四ヲかけて金
壱分六一三七六 又分より下へ四をかけて一分ニ
弐朱四五五〇四 又朱下へ四をかけて金一分二朱一八二○六

卅二
此法不及愚意

卅三
今小頭の地形圖のことく小頭
に成様に筑申時 長登五十間 短
登廿間 股十五間 鈎廿八間有
比つき出しの地形の鈎何
ほとそ 股何ほとそ 平
坪何程有そと問
答曰筑出の地
股三十二間一四六七五
鈎十間○二九六
歩弐百四十二歩七一一四六九
法曰 廿八間を自乗して七百八十四歩十五
間を自乗して弐百廿五歩 右二口合
千○○九歩 此内廿間の自乗歩四百歩
を引 残て六百〇九歩 是を五十間の
自乗弐千五百歩加て三千百〇九歩
是を五十間の一倍百間を以て割卅一
間○九に成 是を自乗して九百六十六
歩五八八一に成 さて千〇〇九歩を開平に
割三十一間七六四七に成 是を以て右の
四十弐歩四一一九を割 一間三三五一に成
是を自乗して一歩七八二四八二〇一に成
是程四十弐歩四一一九の内 引残る四十歩
○六二九四一七九九を開平に割六間三
七四一に成 さて右の弐百廿五歩を三十
一間七六四七を以て割七間○八三三三四
に成 是を自乗して五十歩○一七三六二
〇五五五五五六に成 是程右弐百廿五歩の
内 引残る百七十四歩八二六三七九四四四四四
四有 是を開平に割十三間二二二二 是
に右の六間三七四一を加て十九間五九
六三に成 是を自乗して三百八十四歩
○一四九七三六九に成 さて右の七間○八三三
三四の内 右の壱間三三五一を引 残る
五間七四八二三四を自乗して三十三
歩○四二一九四一一八七五六 是に右の三百八
十四歩○一四九七三六九を加て四百十七歩
○五七一六七八〇八七五六に成 是を右の九
百六拾六歩五八八一の内引残ル 五百四十
九歩五三〇九三二一九一三五六へ右の七百
八十四歩を加て弐つに割 六百六十六歩
七六五四六六〇九五六七八に成 是を廿八間
を以て割 廿三間八一三○五二三六に成
是に五十間をかけて千百九十歩○六五
二六一八に成 是を三十一間○九を以て割
三十八間二九六に成 比内廿八間を引 残て
十間○二九六 是則筑出しの鈎なり 扨
三十八間二九六を自乗して千四百六十
六歩五八三六一六 是を五十間の自乗二
千五百歩の内引 残る千〇三十三歩四
一三八五を開平に割三十弐間一四六七五
是則筑出しの股なり さて三十二間一四
六七五へ右よりの股十五間加て それを二
つに割 廿三間五七三三七五に成 是に
十間○二九六をかけて弐百四十弐歩七壱
一四六九 是筑出しの歩数なり

卅四
今圖のことくの屋敷 縦四十間
横三十四間 長登四十四間 短登
九間有 比短登のまがりめ切
に 短登の方をほり 其土にて
残る地形を一尺八寸筑上申候て 堀
のふかさ何程 堀はた何間問
本書の間好相違に候間直し書付候
答曰
堀ばたの間壱間三分九り四毛
堀の深さ廿一間一分四り八毛八糸
法曰三十間を自乗して九百歩 四十間
を自乗して千六百歩 右二口合弐千五
百歩 是を開平に割五十間也 さて右
千六百歩を五十間に割三十弐間に成 是
を自乗して千〇廿四歩 是を右の千
六百歩の内引残て五百七十六歩を開
平に割廿四間に成 さて九間の自乗八
十一歩 又四十四間を自乗して千九百三
十六歩 さて右弐千五百歩へ八十一歩を
加て置 其内千九百三十六歩引 残て
六百四十五歩有 是を弐つに割三百廿
二歩五 是を五十間にて割六間四五に成
是を自乗して四十一歩六〇二五に成 是を
八十一歩の内引 残て三十九歩三九七五 是
を開平に割六間二七六七四に成 是に
廿四間を加て三十問○二七六七四 是を自
乗して九百十六歩六八〇九八五〇二七六に成
さて三十弐問の内六間四五を引 残る
廿五間五五を自乗して六百五十二歩
八〇二五 是に右百十六歩六八〇九八五〇
二七六を加て千五百六十九歩四八三四
八五〇二七六に成 是を以て右の千九百卅
六歩の内引残て三百六十六歩五一六
五一四九七二四 是に右の九百歩を加て
千弐百六十六歩五一六五一四九七二四 是を
三十間を以て割四十弐間二一七二に成 是
を弐つに割廿一間一〇八六に成 是を自乗
して四百四十五歩五七二九九三九六 是を
右の千九百三十六歩の内 引残千四百
九十歩○四二七〇〇六〇四を開平に割三
十八間六〇六に成 是を縦四十間の内引
残て一間三九四に成 是則堀はたの間也
さて四十間へ右一間三九四を加ておき
それへ廿一間一〇八六をかけ八百七十三歩
七六九三八八四に成 さて好の一尺八寸を
間の六尺を以て割三分と成 是を右
の八百七十三歩七六九三八八四へかけて弐百
六十弐坪一三○八ー六五二に成 さて横卅間
の内 廿一間一〇八六を引 残て八間八九一四ヘ
右の一間三九四をかけて十弐歩三九四六一
壱六に成 是を以て右の弐百六十弐坪一
三〇八一六五二を割 堀の深さ廿一間一四八八

卅五
今圖のことくの堀有 狭鈎卅一間
廣鈎四十六間 長登五十五間半 短
登廿六間 縦六十弐間有 中の入
目より縦の方へ橋を懸申時
さし渡し何程候哉と問
答曰 指渡拾弐間二一三
法曰 四十六間の内三十一間引 残る十五間を
自乗して弐百廿五歩六十弐間を自
乗して三千八百四十四歩 右二口合四千
○六十九歩 是を開平して六十三間七八八
に成 是を以て三千八百四十四歩を割
六十間○二六二に成 是を自乗して三千
六百三十一歩五〇八六四四に成 是を三千八
百四十四歩の内 引残て弐百十弐歩四九
一三五六に成 是を開平に割十四間五七
七に成 さて廿六間を自乗して六百七
十六歩有 五十五間半を自乗して三
千〇八十歩○二五 此内右の六百七十六歩引
残る弐千四百〇四歩二五へ右の四千〇六十
九歩を加て弐つに割 三千弐百三十六
歩六二五に成 是を右の六十三間七八八を
以て割五十間○七四に成 是を自乗し
二千五百七十四歩五四七六に成 是を右
三千〇八十歩○二五の内 引残る五百〇五
歩七〇二四を開平に割廿二間四八七八に
なる 是に右の十四間五七七を加て
七間○六四八に成 是を自乗して千三
百七十三歩七九九三九九〇四に成 六十間○
二六二の内 五十間○七四を引 残る九間五
二二を自乗して九十歩○六六八四八四也
是を右の千三百七十三歩七九九三九九〇四
へ加て千四百六十四歩四六七八八三〇四也
是を三千〇八十歩○二五の内 引残千
六百十五歩七八二壱一六九六 是へ三千八
百四十四歩を加て弐つに割 二千七百
廿九歩八九一〇五八四八に成 是を六十二間
を以て割四十四間○三〇五に成 是を自
乗して干九百三十八歩六八四九三〇二五に成
是を右の三千〇八十歩○二五の内 引残ル千
百四十一歩五六五〇六九七五 是を開平に
割三十三間七八七に成 是を四十六間の内 引
残て十二間二一三 是問所の指渡し也

卅六
長縦四十一間 短縦卅二間半 長登
廿六間 短登十二間半 句卅一間
有 此折曲の所より二つに切指渡を問
答曰 仕切径十間○二四五八
法曰 四十一間の内卅弐間半を引 残て八
間半有 是を自乗して七十二歩弐
五に成 三十一間を自乗して九百六十壱
歩 右二ロ千〇三十三歩二五 是を
開平に割三十弐間一四四に成 是を以
七十弐歩二五を割 二間二四七六に成
是を自乗して五歩○五一七〇五七六
是を右の七十歩二五の内 引残て
六十七歩一九八二九四弐四を開平して
八間一九七四六に成 さて十弐間半を自
乗して百五十六歩二五 是に右の千
〇三十三歩二五を加て千八百十九歩半
此内廿六間の自乗六百七十六歩を
引 残五百十三歩五を弐つに割弐百五
十六歩七五 是を三十二間一四四を以て割
七間九八七に成 是を自乗して六十三歩
七九二一六九 是を右の百五十六歩二五の
内引残九十二歩四五七八三一を開平に割
九間六一五四九に成 是に右の八間一九七四六
を加て十七間八一二九五に成 是を自乗
して三百十七歩三〇一壱八七七〇二五 扨
右の七間九八七の内二間二四七六を引
残る五間七三九四を自乗して三十
二歩九四〇七一二三六 是に右の三百十七歩
三〇一一八七七〇二五を加て三百五十歩○二四一
九に成 是に右の九百六十一歩を加て千
三百十一歩二四一九に成 此内右の六百七十六
歩を引 残を弐つに割三百十七歩六弐
○九五に成 是を右の三十一間に割十間○
二四五八に成 是則好所のさし渡し也

童介抄巻之二目録
第卅七の縦横曲道
第卅八  糸長知       第卅九  同径巻四
第四十  同笠閇       第四十一 倶利加〈伽〉羅巻
第四十二 方錐        第四十三 方臺
第四十四 四十五の円臺
第四十六 四十七 四十八 四十九 五十 五十一 搾形
第五十二 五十三 五十四 五十五 五十六 厚幅臺
第五十七 造器        第五十八 厚幅竪主
第五十九 空帯縦開立法

童介抄巻之二  野沢忠兵衛尉述
算法闕疑抄百好之答

卅七
今縦百間 横七十間の屋敷を
三人にわけ渡ス時 図のことくか
ぎの手に道を明 残る坪数等
分に取り道坪は一人の半分に当ル
やうにしてめいめいの間道幅問
答曰
前屋敷縦百間横廾間
左右各縦五十間横四十間
道幅十間
法曰 百間に七十間かけて七千歩 扨三人に道
を半人と加三五也 此三五を以て七千歩
を割一人分の歩弐千歩也是を縦百
間に割廾間に成 是則前の屋敷の横也
さて横七十間の内廾間引 残る五十間
を以て弐千歩を割四十間に成 此五十
間と四十間は則右の方の屋敷の縦横
なり さて百間の内四十間引残る六十間
へ右の五十間加て百十間に成 是を自乗
して壱万弐千百歩也 扨弐千歩を弐つに
割道の歩也 是に四をかけて四千歩を
右の一万弐千百歩の内引 残る八千百歩
を開平に割 九十間になる 是を右の
百十間の内引残を弐つに割道幅十間也

卅八
今長六丈二尺五寸の糸有
是を清明乃判形に引廻し
中の五角の壱面何程そ
答曰 五方一面三尺
法曰 長六丈弐尺五寸へ定法四り八毛
をかけて三尺になる 是中の五方也

卅九
今図のことく中の巻始の
丸径五分にして其のそとも五
分宛明巻納て一尺二寸
五分有 糸の長さ何程問
答曰 糸長弐丈七尺七寸二分九リ
法曰 一尺弐寸五分を五分を以て割は
廾五に成 是を左右に置右へ三つ加ヘ
廾八に成 是へ左廾五をかけて七百になる
弐つに割三百五十へ壱加て三百五十
壱に成 是に五分をかけて一丈七五五
に成 是へ定法一五八をかけて糸二丈七七二九也

四十
今指渡壱尺七寸四分 ふかさ四
寸五分あるすげがさの登にて
五分つつあいを置 あみいと廻り
のほり候が 糸の長さ何程と問
答曰 糸長五丈六尺六寸○五〇八
法曰 一尺七寸四分を弐つに割 八寸七分に成
自乗して七十五歩六九 又深さ四寸
五分を自乗して廾歩○二五 右二口合
て九十五歩九四 是を開平に割九寸七九
四九也 是を以て径一尺七寸四分を割はー
寸七七六四に成 又登九寸七九四九をあいだ
五分にて割 十九五八九八に成 是を左右
に置 右ヘ一加て廾○五八九八に成 是を左十
九五八九八へかけて弐つに割弐百〇一六七七
九八一〇二 是にあいた五分をかけて百〇〇
八三八九九〇五一 是に一寸七七六四をかけ
て百七十九一三余に成 是に三一六をかけ
て五丈六尺六寸○五〇八 是糸長也

四十一
是に縄長十二間半巻申時一巻
に二尺五寸つゝの延にして幾巻を問
四十五番めの法付にて心得給ヘ

四十ニ
此方五寸二分 竪一尺三寸五分ヲ
如図等分に三つにわる事を問
答曰 各厚一寸七分三り三毛
法曰 方五寸二分を三つ割一寸七分三三に成

四十三
今上廾間四方 下四十五間四方
高サ八間半の方台を坪数
等分に三つに切 銘々の間を問
答曰 上各六間四尺  下各厚十五間
法曰 廾間を三つに割六間六六六是に百より
下へ六をかけて 上厚各六間四尺也 又四
十五間を三つに割下厚各十五間也

四四
今上の径五十間下の径百廾間
高さ十壱間有圓台を
坪数等分に三つ切めいめいを問
答曰 上
左右矢十八間一六
中弦四十八間○九

左右矢四十三間五八四
中弦百十五間四壱六
法曰 五十間を自乗して弐千五百歩 是を
倍して五千歩 是を三つに割て千六百
六十六歩六六六に成 是を開平して
四十間○八二 是を径五十間の内引残る
九間一八ヘ右の四十間○八二をかけて三百
七十四歩七二七六に成 是に定法六をかけ
て弐百廾四歩八三六五六を径五十間に
て割は四間四九六七三一弐に成 是を右
四十間○八二の内引残て三十六間三弐
三二六八八に成 是を弐つに割て矢十八
間一六也 此弦を知るには径五十間の内
矢拾八間一六を引 残る三十壱間八四ヘ
右の矢十八間一六をかけて五百七十八歩二
一四四是に四をかけて弐千三百十二歩八五
七六 是を開平に割弦四十八間○九 さて
百廾間へ矢十八間一六をかけて弐千百七十
九歩ニに成五十間を以て割四十三間五
八四に成 是下の矢なり さてまた下の
弦を知るには百廾間へ右四十八間○九
をかけて五千七百七十歩○八に成 是を
上径五十間を以て割は百十五間四一
六に成 是則下の弦なり

四十五
今径上にて百廾間 下にて
弐百五十間 高さ二十五間
ある円台を筋違に切リ
申時 切口の廻り何程と問
答曰 五百六十五間弐分
法曰 下径二百五十間の内 上径百廾間引
残る百三十間を弐つに割 六十五間へ上
径百廾間へ加て百八十五間に成 是を
自乗して三万四千二百十五歩 さて
高さ廾五間を自乗して六百廾五歩
右二口合三万四千八百五十歩なり さて
下径弐百五十間を二つに割 百廾五間 是
を右の百八十五間の内引 残る六十間
へ下径の半分百廾五間をかけて七千五
百歩へ六をかけて四万五千歩に成 是を
右の三万四千八百五十歩加て七万九
千八百五十歩に成 是を開平に割弐
百八十二間六分是を倍して切口の廻り也

四十六
今寸坪六百坪有 是を搾
形にして歯六寸 竪一尺五寸
有 幅より厚四寸狭して厚幅問
答曰 厚八寸 幅一尺二寸
法曰 六百坪へ三をかけて千八百坪 是を
竪一尺五寸を以て割百廾歩に成 さて
幅と厚のちがい四寸へ歯尺六寸の半
分三寸を加て七寸 是を弐つに割て
三寸五分を自乗して十二歩二五 是を
右の百廾歩へ加て百三十弐歩二五に成
是を開平に割 一尺一寸五分に成 此内三寸五
分を引残て厚八寸に成 是に四寸加て幅一尺二寸

四十七
此坪八百五十坪 歯八寸 幅一尺五
寸 竪より厚はー尺二寸五分み
ぢかくして竪厚を問
答曰
厚六寸九分一里三毛三糸
竪一尺九寸四分一り三毛三糸
法曰 坪数八百五十坪に三をかけて二千五
百五十坪 是を幅一尺五寸と歯半四寸と
合せたる一尺九寸を以て割は百三十
四歩二一に成 さて一尺二寸五分を弐つに
割 寸弐分五リを自乗して三十九歩
○六二五 是を右の百三十四歩二一ヘ加て
七十三歩二七二五に成 是を開平に割
一尺三寸一六三三に成 此内六寸二分五リ
引 残て六寸九一三三の厚なり 是に
一尺弐寸五分加て竪一尺九寸四一三三也

四十八
此寸坪千八百坪 歯一尺二寸 厚九
寸竪より幅七寸短シテ竪幅を問
答曰 幅一尺八寸  竪二尺五寸
法曰 坪数千八百坪に三をかけて五千四百
坪 是を厚九寸を以て割は六百歩に成
さて歯一尺弐寸を二つに割六寸 是を七寸
の内引残る一寸を二つに割五分を自乗
して二分五り 是を六百歩へ加て六百歩
○○二分五リに成 是を開平に割 弐尺四寸
五分 是に五分を加て竪弐尺五寸なり
此内七寸引て幅一尺八寸なり

四十九
此寸坪千八百坪厚九寸幅
弐尺竪より歯はー尺七寸短
して竪と歯を問
答曰 歯八寸 竪二尺五寸
法曰 坪千八百坪に六をかけて壱万〇八百
坪に成 厚九寸にて割千二百歩 さて
幅二尺を倍して四尺の内一尺七寸引
残る二尺三寸を二つに割て一尺一寸五分也
是を自乗して百三十弐歩二五に成 是
を右の千弐百歩を加て千三百三十
弐歩二分五り 是を開平に割三尺六
寸五分に成 此内右の一尺一寸五分を引
残て竪弐尺五寸 内一尺七寸引残て歯八寸也

五十
此寸坪六百坪 厚八寸 竪壱
尺五寸 幅より歯は七寸五分み
ちかくしてはとはばを問
答曰 歯五寸 幅一尺二寸五分
法曰 六百坪に六をかけて三千六百坪
さて厚八寸と竪一尺五寸とをかけて
百廾歩 是を以て右の三千六百坪を
割三尺に成 是に七寸五分加て三つに割 幅
一尺弐寸五分 此内七寸五分を引 歯五寸なり

五十一
此寸坪二千百坪 幅二尺五寸
竪九寸 厚より歯はー尺八寸
短して歯と厚を問
答曰
歯 六寸六分九り四毛
厚 二尺四寸六分九リ
法曰 坪数二千百坪に六をかけて一万二
千六百坪 是を竪九寸を以て割
千四百歩に成 扨幅二尺五寸の内歯と
あつのちがい一尺八寸の半分九寸引 残る一
尺六寸を自乗して弐百五十六歩を右
の千四百歩へ加て千六百五十六歩を
開平に割 四尺○六分九り三毛此内
一尺ハ寸引残て厚二尺四寸六九三 此
内一尺八寸引残て歯六寸六分九り四毛

五十二
此間坪五千百五十一坪 高九
間 下の厚廾弐間 下のはば
卅二間 上厚より上幅は七間
広して上の厚帽を問
答曰
上厚 二十四間五分
上幅 三十一間五分
法曰 五千百五十一坪へ六をかけて三万零
九百〇六坪を高さ九間を以て割歩
数三千四百三十四歩に成 扨下の厚廾
弐間へ幅三十弐間をかけて 七百〇四歩 是
を倍して千四百〇八歩を右の三千四
百三十四歩の内引残て弐千〇廾六歩
有 扨上のあつと上のはゝのちかい七間
に下幅卅二間をかけ弐百廾四歩を右
の二千〇廾六歩を加て二千弐百五十歩
に成 是に八をかけて一万八千歩に成 さて
下幅三十二間と下厚廾二間と合て
五十四間に成 此内七間倍し十四間を引て
残る四十間を自乗して千六百歩 是
を右の壱万八千歩へ加て壱万九千
六百歩に成 是を開平に割 百四十間に
成 此内右の十四間を引 残る百
二十六間を四つに割て 上はば三十
壱間五分になる 此内七間引残て
上厚廾四間五分なり

五三
此間坪二千四百六十六坪 高九
間上の厚十二間 下の厚十
六間 上の幅より下幅は三間
広して上下の幅を問
答曰 上幅十八間   下幅廾一間
法曰 弐千四百六十六坪を六をかけて一
万四千七百九十六坪 是を高九間を以て
割千六百四十四歩に成 扨上厚十弐
間を倍して廾四間 下厚十六間を加て
四十間 是に上下幅のちがい三間をかけ
て百廾歩 是を右の千六百四十四歩に加
千七百六十四歩也 又下の厚十六間に上の厚
十二間加廾八間に成 是に三をかけ八十四間に成 是を
以て千七百六十四歩を割下幅廾一間 此内三間引
残て十八間は上幅なり

五四
此間坪八千八百五十四坪三分七
り五毛 高七間半 上の厚二
十五間 下幅五十一間 幅へ下厚より
五間半広して上幅と下幅を問
答曰
上幅三十五間○七リ
下厚廾九間五分七リ
法曰 八千八百五十四坪三七五と置 是に六を
かけて五万三千百廾六坪二五に成 是を
高さ七間半を以て割七千零八十三歩
五分に成 扨上厚廾五間に下幅五十一間
をかけて五千八百〇八歩五分に成 又上厚
廾五間を倍して五十間 是へ下厚と
上幅のちがい五間半をかけて弐百七十五
歩を右五千八百〇八歩五の内引残て
五千五百三十三歩五分有 さて上あつ
廾五間を下幅五十一間と合て七十六間
是に上幅と下厚のちがい五間半の半分
二間七五を加て七十八間七五 是を自乗
して六千弐百〇一坪五六二五是を本
積五千五百三十三歩へ加て一万千七百三
十五歩○六二五 是を開平に割百〇八間三
二に成 此内右の七十八間七五を引残て下
厚廾九間五七に成 是に五間半を加て上
幅三十五間零七リに成

五五
此間坪四千九百八拾坪 上厚
十五間 上幅廾間 下厚十八間
下幅は高より十八間広して
下幅と高さとを問
答曰 高十二間  下幅三十間
法曰 四千九百八十坪と置六をかけて弐万九
千八百坪に成 さて上厚十五間を
倍して三十間 是へ下厚十八間を加て
四十八間と置 是に上幅廾間をかけて
九百六十歩也 さて下厚十八間を倍
して三十六間に成 是に上厚十五間を
加て五十一間に成 是を以て右の弐万九
千八百八十坪を割五百八十五歩八八弐
三五に成 又五十一間を以て右の九百六十
歩を割十八間八二三五に成 是に高より
下幅のひろき十八間を加て弐つに割
十八間四一一七五に成 是を自乗して三
百三十九歩になる 是を右の五百八十五
歩八八二三五へ加て九百廾四歩八八二三
五に成 是を開平に割三十間○四一一
七五に成 此内右の十八間四壱一七五を引
残て高十弐間に成なり これに
高さより下幅のひろき十八間を加
て下幅三十間になる

五十六
此間坪五千七百〇弐坪半あり
是上厚より下厚は四間広
く下厚より上幅は六間広
く上幅より下幅は四間広
く下幅より高さは廾七間半
短して各間を問
答曰
上幅卅壱間   下幅三十五間
高七間半
上厚廾一間   下厚廾五間
法曰 五千七百〇弐坪半と置 是に九を懸
て五万千三百廾弐坪五分に成 さて右
のならし見立の大短高より厚は十五
間半長し 大短高より幅は廾五間半
長し 如此に合点してさて此十五間半
を弐つに割て七間七五是を廾五間五の
内引残て十七間七五に成 さて七間七
五を自乗して六十歩○○六二五 是に
十七間七五をかけて千〇六十六坪一〇九
三七五是に六をかけて六千三百九十六
坪六五六二五を右の五万千三百廾二
坪五へ加て五万七千七百十九坪一五六
二五に成 さてまた十七間七五を自乗
して三百十五歩○六二五 是に十七間七五
を倍して三十五間半に成 是を右の歩ヘ
かけて一万千百八十四坪七一八七五に成 是
を三つに割三千七百廾八坪二三九五八三
三に成 是を右の積五万七千七百十九坪
一五六二五の内引残て五万三千九百九十
坪○九一六六六に成 さて上厚を下
厚のちがい四間 上幅と下幅のちかい
四間とかけて十六歩 是を定法四つに
割四歩に成 さて高より厚の長
十五間五 高より幅の長廾五間五を合
四十一間也 是に右の四歩をかけて百六十
四坪に成 是に右の五万三千九百九十坪
零九一六六六に加て五万四千百五
十四坪九一六六六に成 さて右の六十歩
○○六二五へ三をかけて百八十歩○一八七五
是に右の三百十五歩○六二五を加て
四百九十五歩二五の内右の四歩を引
残て四百九十一歩二五を定滅法とす
さて商六十間と見立右の四百九十
一歩二五と置 商六十間をかけて弐万九
千四百七十五坪を積に加て積八万
三千六百廾九坪九一六六六に成 さて
商六十間の再自乗して廾一万六千坪
を三つに割七万弐千坪に成 是を積の
内引不盡壱万千六百廾九坪九一六六
六有 さて次の商三間と見立六十三間
と置 是に商六十間をかけて三千七百八十
歩 此内右の四百九十一歩二五を引残る
三千弐百八十八歩七五を以て積の不盡を
一桁割三間と知る さて三間の小角
廾七坪を三つに割九坪 是を引不盡
千七百五十四坪六六六有 又三の商半
とみたて六十三間半と置 是に六十三
間をかけて四千坪○○○五と成 此内右
四百九十一歩二五を引 残る三千五百〇
九歩二五を以て積の不盡を一桁割
五分と知る さて半間の小角一分ニリ
五毛を三つに割四り一六六六を引て
引彿也 さて商六十三間半と知たり
此内右の十五間半と廾五間半を引
残る廾弐間半を三つに割 高七間半と
知る 是に廾七間半加て下幅卅五間
に成 此内四間引上幅三十一間也 又此内
六間引下厚廾五間なり 又此内四間
引上厚廾間なり
扨又右のならしといふは上幅と下幅のちがい
四間を弐つに割弐間 是を下幅と高との
ちがい廾七間の内 引残て廾五間半也 なら
し幅也 又上厚と下厚とちかい四間を弐
つに割弐間 是を下幅と高とのちかいの
内引残て廾五間半 此内上幅と下幅
のちかい四間引廾一間に成 此内下厚と上
幅のちかい六間引残十五間半ならし厚也

五七
此外のり横二尺五寸 長三尺
弐寸 高壱尺五寸の箱口を
のけ五方をは銅四百六十
七貫七百七十五匁を以て
包時ハ此銅の厚何程を問
答曰 包銅厚弐寸五分
法曰 横二尺五寸 長三尺弐寸かけて八百歩
是に高一尺五寸かけて壱万弐千坪 扨
銅四百六十七貫七百七十五匁と置 是
を六十三匁を以て割七千四百廾五坪
に成 是に右の壱万弐千坪を加て一万九
千四百廾五坪 是を倍して三万八千八
百五十坪 是に九をかけて三十四万九千六百
五十坪に成 さて三尺弐寸の内二尺五寸引
七寸残る さて二尺五寸を弐つに割一尺弐
寸五分 是を一尺五寸の内引残る二寸五
分を右七寸の内引残て四寸五分也 是を
ば別に置右二寸五分を自乗して六歩二五
是に六をかけて三十七歩五分 是に四寸五
分をかけて百六十八坪七五 是を右の三
十四万九千六百五十坪へ加て三十四万九千
八百十八坪七五に成 さて四寸五分を自乗
して廾歩○二五 是に又四寸五分を倍して
九寸をかけて百八十二坪二五に成 是を三つに
割は六十坪○七五 是を右三十四万九千
八百十八坪七五の内引残て三十四万九千
七百五十八坪有 さて右六歩二五へ定
三をかけて十八歩七五 是に右の廾歩○二
五を加て三十九歩 是 定滅法也 扨初商
一丈と見立三十九歩ヘー丈をかけて三千九
百坪を三拾四万九千七百五十八坪へ加て
三十五万三千六百五十八坪に成 さて一丈
自乗して一万歩 又一丈かけて百万坪 是
を三つに割三十三万三千三百三十三坪三三三
を実三十五万三千六百五十八坪の内引
不盡弐万〇三百廾四坪六六六有 さて次
の商二寸と見立一丈○二寸と置 一丈を
かけて壱万〇弐百歩 此内滅卅九歩を引
残る一万〇百六十一歩を以て右の不盡を
一桁割 商二寸と知る さて二寸の小角ハ
坪を三つに割二坪六六六を引て引払也
さて商一丈○二寸の内右の四寸五分を引
九尺七寸五分に成 さて二寸五分に三をかけて七寸五分 是を
も引残る九尺を三つに割三尺に成 此内横二尺五寸
引残る五寸を弐つに割 厚二寸五分なり

五十八
今栗石七万千〇十五
坪九合五勺 是を五段
に積上る時 上一段は
横より縦五間廣く 縦
より高は外二割増二段
めの横は上のよこより二間廣く 縦は其
見へし横に五間廣 高は其見へし縦に内二
割増三段の横は二段めの横に外三割増
縦は二段めの縦に外二割増 高は二段目
の高に内五割増 四段めの横は三段めの横
の一倍 縦は三段めのたての一倍 高は三段
めの高の半分に下の五段めの横は四段目
の横に五間廣 縦は四段めのたてに七間廣 高は四
段めの高と同間に重上ル時 銘々縦横高を問
答曰
一段め
横九間一三三四
縦十四間一三三四
高十六間九分六
二段め
横十一間一三三四
縦十六間一三三四
高廾間○一六六八
三段め
横十四間四七三四二
縦十九間三六
高四十間○三三四
四段め
横廾ハ間九四六八四
縦三十八間七二
高廾間○一六六八
五段め
横三十三間九四六八四
縦四十五間七二
高廾間○一六六八
法曰 上段五間のちがいに一二をかけて六間成
是に五間をかけて 三〇歩 上段の法とすさて
ちかい五間を二つ合十間になる是に一二をかけ
て 十二間 上段の廉とす 一二 上段隅とす
二段横の増二間を五間へ加て七間を
縦の増とす 七間ヘ一二五をかけ八間七分五
り高とす 是に七間をかけて歩に成 それに
弐間をかけて 百廾二坪半 横を引 さてちがい
二と七と八七五となり 然るに二と七とを
かけて十四歩に成 是に一二五をかけて㊀十七歩
五分に成 又二と八七五とかけて㊁十七歩半に成
又七と八七五とかけて㊂六十一歩二五に成 三位
合て 九十六歩二五 二段の法とす さて二と七と
合て九間ヘ一二五をかけて十一間二五に成 是に
八間七五加て 廾間 二段の廉とす 一二五
二段の隅とす 三段の横外三割一三 長さ
縦外二割一二高は内五割を外割に直して二也
さて一二と一三とニとかけ合三一二になる
是則わりの目安と見て二段の百廾
二坪半へ三二二をかけて 三百八十二坪二分 横を
引 さて二段の法九十六歩二五へ目安三壱二
をかけて 三百歩○○三分 三段の法とす 二段の廉
廾間へ三ー二をかけて 六十二間四分 三段の廉
とす二段の隅ー二五を三ー二ヘかけて 三九 三段
の隅とす 四段は三段の三百八十二坪二分に
四をかけてそれを二つに割 七百六十四坪四分 積
を引 扨三段の法三百歩○○三に四をかけ
てそれをニツに割 六百〇〇六 四段の法とする
三段の廉六十二間四分に四をかけてそれ
を二つに割 百廾四間八分 四段の廉とす 三段の隅
三九に四をかけてそれを弐つに割 七八 四段の隅
とす 五段は第二段の横の増二間を倍
して四間ヘー三をかけて五間二分に成 是を
好む所の五間に加て十間○二分に成 さて
第二段の縦の増七間を倍して十四間ヘ
ー二をかけて十六間八分に成 是を好む所の
七間へ加て廾三間八分 是に右の十間○二
分をかけて二百四十二歩七六 是に第二段
の高の法八間七五をかけて 二千百廾四坪二分五リ
積を引さて横の増五間を弐つに割て
二間半 是を一三を以て割はー間九二三に
なる 是に弐間加て三間九二三に成 さて
縦の増七間を弐つに割三間半 是をー二
を以て割は二間九一六に成 是に七間を加て
九間九一六七是に三間九二三をかけて三十
八間九〇三二一四一に成 是にー二五をかけて㊀四十
八歩六二九〇一七六二五に成 扨三間九二三へ八
間七五をかけて㊁三十四歩三二六二五に成 扨
九間九一六七へ八間七五をかけて㊂八十六歩
七七一ー二五に成 三位合て百六十九歩二六三
九二六二五是に六二四をかけて 千〇五十九歩一分 五
段の法とす 扨三間九二三と九間九一六七と
合て十三間八三九七 是にー二五をかけて十
七間二九九六二五に成 是に八間七五を加て
廾六間○四九六二 是に六二四を懸 百六十二間五分五
五段の廉とす 七八 五段の隅とす さて
右積を引数五位合て千三百九十三坪
二五 是を積七万千〇十五坪九合五勺
の内引 残積六万七千六百廾二坪七分
有 又五位の法合弐千〇八十六坪二五有
是を従法とす 五位の廉合三百八十一
間七五 是を従廉とす五位の隅合廾一
九五有 是を従隅とす さて此従隅
廾一九五を以て残積をも従法をも
従廉をも各を割は積は三千〇
八十坪○七七四七に成 従法は九十五歩○四
五五五に成 廉は十七間三九一八に成 さて
積に九をかけて二万七千七百廾六坪九
七二三に成 扨十七間三九一八を再自乗て
二をかけて三つに割 三千五百〇七坪○五
三〇七五五八四四二壱三三三是を積にて
引 残て二万四千十九坪九一九二二四四壱
五五七八六六六に成 さて右の九十五歩○四
五五五へ三をかけて弐百八十五歩一三六六
五なり 是に十七間三九一八をかけて四千
九百六十坪○五三九五八九五 是を積
に加て二万九千百八十坪○四六二〇三一〇
五七八六六六に成 是を実とす さて右
十七間三九一ハを自乗して三百〇二歩四
七四七〇七二四 此内右の二百八十五歩一三六
六五を引 残て十七歩三三八〇五七二四 是
を滅法とす 是を以て帯縦開立に
する也 先初商四十間と見立滅法へか
けて六百九十三坪五二二二八九六を実ヘ
加て二万九千八百七十三坪九八四三二に
成 扨商四十間を再自乗して三つに割
弐万千三百三十三坪三三三 実にて引也
実残て八千五百四十坪○六五〇九九有
さて次の商四間と見立四十四間と置 四
十間をかけて千七百六十歩此内滅法を
引 残る千七百四十弐歩六六一九四二七六を
以て実一桁割 四間としる四間の小角
廾一坪三三三を引 残て実千五百四十
八坪六六九八八六有 扨三の商七分と見
たて四十四間七分と置 是に四十四間を
かけて千九百六十六歩八分 此内滅法を
引残て千九百四十九歩四六一九四弐七六
を以て実を一桁割 商七分としる七分
の小角一分一り四毛三三三を引 残て実
百八十三坪九三二一九三有 さて四の商九
厘と見立四十四間七分九リと置 是に
四十四間七分をかけて弐千〇〇二歩壱一三
の内 滅法を引 残る千九百八十四歩七
七四九四二七六を以て実を一桁割は 商
九リとしる 九リの小角二糸四忽三微引 残て
実五坪三〇二二〇五有 此不盡をも右の
てたてにして二毛としる 此上の不盡は
すててよし さて商四十四間七分九り二
毫 此内十七間三九一八を引 残りを三つに
割 九間一分三り三毛四糸に成 是則上段
の横なり 是に五間加てたて十四間一三三四
也 二段めの横は上段の横に二間加て十
一間一三三四也 上段の高は上段のたてに
ー二をかけて高十六間九六也 二段めの横
に五間加て其縦十六間一三三四也 是を八
を以て割 高廾間○一六六七五也 三段目
の横は二段めの横に一三をかけて十四間四
七三四二也 たては二段めのたてにー二を
かけて十九間三六也 高は二段めの高を
五に割四十間○三三三五に成 四段めの横
は三段目の横に弐をかけて廾八間九四
六八四也 たては三段めのたてに弐をかけて
三十八間七二也 高は三段めの高を二つに割 廾間
○一六六七五也 五段めの横は四段めの横に
五間加て三十三間九四六六八四也 縦は四段
目の縦に七間加て四十五間七二也 高は四段に同

五九
今長六尺五寸 横一尺三寸 厚
二寸四分の板有 是にてたんす
をささせ申時 板の厚四分宛に
引わらせ 扨上は引出し弐つ二重
めも引出し弐つ 三重めは引出し三つ 下の四重め
引出し壱つして上の引出し右より左は五寸廣く
二重めは左右同廣さ 三重目は中より左右の引
出は弐寸宛せばく 下は引出し一つなれは外箱の
一蓋に扨上の引出しより二重めは深さ一寸浅く 三
重めの深は二重めより五分浅ク下の深は二重めより八分
深く 惣恰合外象の外のりにて横より竪は一尺
二寸ひきく奥への深は何れも外のりにて竪より
八寸五分短して 惣恰合と内の引出各を問
答曰
惣恰合
奥へ九寸五分一六七五
竪一尺八寸○一六七五
横三尺○○壱六七五
一重目
右廣一尺一寸九〇八三七五
深四寸六分七厘九毫
左廣一尺六寸九〇八三七五
二重目
右廣一尺四寸四〇八三七五
深三寸六分七厘九毫
左廣一尺四寸四〇八三七五
三重目
右廣八寸八分○五五八三
深三寸一分七り九毫
中廣一尺o八〇五五八三
四重目
廣二尺九寸二一六七五
深四寸四分ハ厘
奥深各八寸七一六七五

竪一尺七寸二一六七五
横二尺九寸二一六七五
法曰 長六尺五寸へ横一尺三寸をかけて八百
四十五歩 是に厚二寸四分をかけて寸坪弐
千〇廾ハ坪 是を厚四分の一倍八分を以
て割弐千五百三十五坪に成 此内にて
八分の自乗六分四リを倍して一歩二八
是に一をかけて一坪二八を引 残弐千五百三
十三坪七二有 扨違八寸五分と一尺弐寸
と合二尺○五分 是に違八寸五分をかけて
百七十四歩二五 是を倍して三百四十
八歩五分を右二千五百三十三坪七二の
内引残て弐千〇八十五坪二二有 是を
六つに割三百六十四坪二〇三三三に成 扨
八寸五分へ四をかけて三尺四寸 又一尺
弐寸へ弐をかけて弐尺四寸 此弐口合五尺
八寸を三つに割一尺九寸三三三に成 さて
右の枚数三枚に見成 内一枚は長一尺九
寸三三へ其厚八分加て弐尺○一分三
三三へ厚八分をかけて十六坪一〇六六六
是を三百六十四坪二〇三三三の内引残
三百四十八坪○九六六六の本積也 さて
見成厚一寸 厚四分一六六 厚二分五リ
三口合て一寸六六六に成 是にて三百四
十八坪○九六六六を割 弐百〇八歩八五八
是本歩積なり 扨弐尺○一三三三へ厚八
分加て置 又一枚二尺○五分へ厚四分
一六六六をかけて八寸五分四一六六六に成
又一枚五寸二分へ二分五リのあつをかけ
一寸三分に成 右三口合三尺○七七五に成を
右の合厚一寸六六六を以て割一尺ハ
寸四六五に成 是を弐つに割九寸二二二五
に成 是を自乗して八十五歩二三九〇
五六二五 是を右の弐百〇八歩八五八へ加
て弐百九十四歩○九七〇五六二五に成 是を
開平に割一尺七寸一四九二五に成 内右の
九寸二三二五を引残て七寸九一六七五に
なるさて板厚四分を四をかけ一寸六
分 是を七寸九一六七五へ加て九寸五一六七
五 是奥へのふかさ外のりにて如此是に
八寸五分加て竪一尺八寸○一六七五 是に一尺
二寸加て横三尺○○一六七五 さて竪一尺八
分○一六七五の内厚五つの分に二寸引残
一尺六寸○一六七五有 さて重の上より二重
めの引出しのふかさのちかい一寸に三をかけて三
寸 是に三重めの五分を加て三寸五分 此内
四重め八分を引二寸七分 是を一尺六寸○一
六七五へ加て一尺八寸七一六七五 是を四重
に割上の重四寸六七九 此内一寸引二重め
三寸六七九 此内五分引三重め三寸一七九也
四重めは二重めに八分加て四寸四分八り也
さて上の重の横を知るには三尺○○一
六七五の内厚三つの分一寸二分引 残二尺
八寸一六七五の内五寸引残を弐つに割は
右の廣一尺一寸九分○八三七五也 左は是に
五寸加 又二重めは二尺八八一六七五を弐ツに割
左右各一尺四寸四〇八三七五也 三重めは
二尺八八一六七五の内好の弐寸と厚四分
と合弐寸四分を引 残る二尺六四一六七五
を三つに割て左右廣さ各八寸八〇五五
八三三 是に弐寸加て中也 下は二尺八八一六
七五に四分を加て二尺九二一六七五也 奥
道のふかさは九寸五分一六七五の内八分を
引残てふかさ八寸七分一六七五なり

童介抄巻之三目録
第六十の圓中九曜
第六十一 六十二圓内外星
第六十三 六十四輪違
第六十五 六十六 六十七 六十八 六十九 七十
 七十一 七十二 七十三 平圓闕
第七十四 扇形 外圓
第七十五 七十六 七十七 圓等分

童介抄巻之三 野沢忠兵衛尉述
算法闘疑抄百好之答

六十
径三尺の丸の内に間弐寸
宛あけて九ようの星を
入 廻の小星中の大星径を問
答曰
回星径五寸七分五リ
中星径一尺○五分
法曰 径三尺の内あいだ弐寸を引 弐尺八
寸に成 是に八つ人の定法二分七六八を
かけて七寸七五〇四に成 此内弐寸引残る五
寸七分五リめぐりのほし径也 さて七寸七
五に間の二寸加て九寸七五を倍して一尺
九寸五分 是を径三尺の内引残て一尺○
五分 是中円径なり

六十一
廻り一丈弐尺有圓の内外
めくりに星十九宛ならベ
申候はは内外のほし何れ
もさしわたし何程と問
答曰
内星径五寸二分八リ
外星径七寸三分一り三毛
法曰 周一丈二尺へ十九入の定法四り四をかけ
て内並の星径五寸二分八リに成 扨此五
寸二八定六つ三二をかけて三尺三寸三六九六
に成 是を周一丈二尺の内引残て八尺六六三
〇四有 さて一丈二尺へ星径五寸二八をかけて
六百卅三歩六也 是を右の八尺六六三〇四を以て
割は外星径七寸三分一り三毛になる

六十二
円の内外星十五宛並 其内へ並星
径二寸五分の時は外に並星径と内
外の間の輪の径とを問
答曰
輪径一尺四寸八分八リ
外星三寸七分六り五毛
法曰 二寸五分と置 是に十五並の法一六八にて
割は輪径一尺四寸八八に成 此内星径
二寸五分の一倍五寸引残て九寸八八有 扨
一尺四八八と置是に二寸五分をかけて卅
七歩二と成 是を九寸八八を以て割は外に
並星径三寸七六五に成
凡ソ此星並の法を出す事 弐つ入
には 子細なし其径の半分星の径となる
三つ入より以上には皆算述あり其法
曰左に定二百〇三と置 右に定十五と置
たとへは三つ入の時はその三つを以て右
の十五を割は五つに成 左の二百〇三の
内にて是を引残て百九十八に成 是に三
つ入の三つをかけて五百九十四に成 又三ツ入の三
かけて千七百八十二に成 是に定千を加て
弐千七百八十二に成 是を千七百八十二を以て
割は壱つ五六二と成 是を開平に割ば
ーつ二分四九六に成 此内一つを引残る二分
四九六を以て又一つの内の引残る七分五〇四ヘ
二分四九六をかけて一分八七三に成 是に定四
をかけて七分四九二に成 是を開平に割八分
六五五に成 さて一と置定弐つに割五分に
なり此内右の二分四九六を引残る二分五〇四
有 さて八六五五へ右の五分をかけて四三
二七五に成 是を二分五〇四を以て割は一つ
七二八に成 是を自乗して二つ九八五九八四
に成 是に定一つ加て三つ九八五九八四を開
平に割一つ九九六に成 是に右の一つ七二八を加て
三つ七二四に成 是を以て右の一つ七二八を割
は四分六四に成 此四六四を三つ入の定法
としてそのまるのさしわたしへ此四六をかけ
て星径となる 右の八つ星十九星十五星
もみな此てたてを以て定法を出し候
又周の法にせんとおもふには此四六四を周法
三一六にて割一四六八ヲ用なり

六十三
此輪違小輪径一尺五寸弧一尺
一寸三分一り 大輪弧一尺○二分五り此
大輪と輪違の矢を問
答曰
大輪径六尺二寸二分○七八
輪違矢弐寸四分ニリ○八
法日 小輪の弧一尺一寸三分一リを自乗して
弐つに割六十三歩九五八〇五に成 是に小
径一尺五寸を自乗して弐百廾五歩を
加て弐百八十八歩九五八〇五に成 是を開平に
割一尺七寸に成 内一尺五寸引残て弐寸矢
なり さて径一尺五寸の内矢二寸引残ル
ー尺三寸へ矢二寸をかけ又それへ四をか
けて百〇四歩に成さて大輪の弧一尺○
二五を自乗して百〇五歩○六二五の内
右の百〇四歩を引残て一歩○六二五を
六つに割は一分七七〇八三三三に成 是を
開平に割大輪矢四分ニリ○八に成 さて
右の百〇四歩を四つに割廾六歩を右の
四分ニリ○八を以て割六尺一寸七八七に成
是に四分二〇八を加て大径又大小矢合て矢

六十四
此矢三寸大輪の弧六寸四分
八り小輪の弧七寸七分四リ
五毛この大小の径を問
答曰 大輪径一尺   小輪径六寸五分
法曰 弧七寸七四五を自乗して六十歩の
内六寸四八の自乗四十弐歩を引残る十
八歩を六つに割三歩に成 是を矢三寸
を以て割一寸に成 是を矢三寸へ加て四寸
是を弐つに割小輪の矢弐寸也 右三寸
の内弐寸引残る一寸大輪の矢也 さて右
四十二歩を四つに割十歩○五 是を矢一
寸を以て割一尺○五分 此内矢半五分を
引残て大輪径一尺也 又六十歩を四つに
割十五歩 是を矢二寸を以て割七寸
五分の内矢半一寸引残る六寸五分小径

六五
前の矢三尺五寸八分向の
弧三尺四寸四分 此本径と
向の矢とを問
答曰
本径四尺弐寸二分九り六毛
向矢六寸四分九り六毛
法曰 弧三尺四四を自乗して千百八
十三歩六 是を三をかけて弐つに割は千
七百七十五歩○四也 扨矢三尺五寸八分
を自乗して千弐百八十一歩六四 是に
千七百七十五歩○四を加て三千零五
十六歩六分八厘を開平に割
は五尺五寸二分八り八毛に成 此内矢三尺
五寸八分を引残る一尺九寸四分八り八毛
を三つに割は向の矢六寸四九六に成
是前矢三尺五八を加て径四尺二寸二九六

六六
此上と下の弧各弐百間
宛に切て中にて矢弐
百間有 此上下の矢と径を問
答曰
矢各三十四間八分三リ
本径弐百六十九間六分六リ
法曰 上下の弧合て四百間を自乗し
て十六万歩 是を退一位して一万六千
歩也 さて中矢弐百間に四分を
かけて八十間に成 是を自乗して六
千四百歩 是ヘー万六千歩を加て弐
万弐千四百歩 是を開平に割百四十
九間六六に成 此内右の八十間を引残
て六十九間六六 是に中矢弐百間加て径
なり 又六十九間六六を弐つに割て矢也

六七
径四寸の金鍔の切有 弧弐寸九分一リ
弦二寸一分八り 鈎一寸五分 此鈎の方の切
の弧と弦とを問
闕疑に弧四寸一分二リと有 あやまり也
答曰
弦一寸七分 但シ切れなり
矢一寸五分一り三毛八糸
弧弐寸四分五り 但し切レなり
法曰 弦闕弐寸一八を自乗して四歩七五
二四に成 鈎一寸五分を自乗して二歩二五
弐口合て七歩○○二四 是を以て径自乗
十六歩の内引残るハ歩九九七六へ鈎自
乗弐歩二五をかけて二〇二四四六に成 是を
右二口の合七歩○○二四を以て割二歩八
九に成 是を開平に割一寸七分に成 是
則鈎のかたの弦也 是に二寸一八を加て
三寸八八に成 是を自乗して十五歩○五四
四に成 是を右十六歩の内引残る九分四
五六を開平に割九分七二四に成 是を
径四寸の内引残りを弐つに割矢一寸五
分一三八に成 是を弐つに割七分五り六九
是に径四寸加て四寸七五六九 是に矢一寸五
一三八をかけて七歩二〇一に成 是に四をかけて
廾八歩八〇四に成 是を開平に割五寸三分六
リに成 此内二寸九分一リを引残二寸四五弧也

六八
今指渡五十間有圓屋敷の
はづれに畑有 是を弐人に分取時
一人分弧卅五間六六有 弦四十三
間有 登十八間有 扨今一人の取
分の弧と弦とを問
答曰 一人分
弦一間六分
弧廾間○一分五リ
法曰 弧卅五間六六を自乗して千二百
七十一歩六三五六 是を弐つに割六百三十
五歩八一七八 是に径五十間の自乗弐千
五百歩を加て三千百三十五歩ハー七八
是を開平に割五十六間に成 内径五十
間を引残て六間也 扨径五十間の内右の
六間引残る四十四間に六百をかけて弐百
六十四歩 是に四をかけて千〇五十六歩に
なる さて弦四十三間を自乗して千八
百四十九歩 是に右千〇五十六歩を加て
弐千九百〇五歩有 又登十八間を自乗
して三百廾四歩 是を右弐千九百〇五歩
の内引残る弐千五百八十一歩を弦倍八十
六間を以て割三十間に成 是を自乗し
九百歩を右の千〇五十六歩の内引残
て百五十六歩 是を開平に割十二間四
九に成 是鈎也 扨径自乗して二千五百
歩の内千〇五十六歩を引残る千四
百四十四歩へ右の百五十六歩をかけて廾
弐万五千弐百六十四歩に成 是を千〇五十
六歩を以て割弐百十三歩三一八に成
是を開平に割十四間六に成 是に
右の三十間加て四十四間六分に成 是を
自乗して千九百八拾九歩一六に成 是
を弐千五百歩の内引残る五百十歩
○八四を開平に割廾二間六歩に成 是を
五十間の内引残る廾七間四分を弐つに
割本矢十三間七分に成 是を弐つに割
六間八五に成 是に五十間加て五十六間
八五に成 是に四をかけて弐百廾七間四に
成 是に十三間七分をかけて三千百十五
歩三八に成 是を開平に割五十五間八
分一り有 此内弧卅五間六六を引残
て廾間○一五 是一人分の弧也 又右四
十四間六分の内弦四十三間引残て一間
六分是一人分の弦なり

六九
今径百廾間の圓屋敷の東
のはつれに田有 田の南に水溜有
扨田の東の弧の間六十七間八
有 西の弦六十間有 南の堀端登
の間十五間七分有 水溜の弧と弦
と又円の鈎と矢とを問
答曰
水溜弧三十間 弦廾六間六九七五
矢十八間五分一り六毛五糸
鈎十六間一分五り九毛二糸
法曰径百廾間を自乗して壱万四千
四百歩有 又六十七間八分を自乗して
四千五百九十六歩八四 是を弐つに割は
弐千弐百九十八歩四二に成 是に壱万四千四
百歩を加て壱(万)六千六百九十八歩四二
是を開平に割 百廾九間二二二に成 内百廾
間引残て九間二二二有 さて百廾間の内
此九間二二二を引残て百十間○七七八有
是に右の九間二二二をかけて千〇廾一歩
五二四七一六に成 是に四をかけて四千〇八十六歩
九八八六四に成 是開平に割六十三間九二二六
に成 さて六十間を自乗して三千六百
歩有 又十五間七分を自乗して弐百四
十六歩四九 是を三千六百歩の内引残
三千三百五十三歩五一ヘ右の四千〇八十六
歩九八八六四を加て七千四百四十歩○
四九八六四に成 是を弐つに割三千七百廾
歩○二四九三二に成 是を右の六十三間
九二二六を以て割五十八間ニに成 是を自
乗して三千三百八十七歩弐四を右六十間
を以て割は五十六間四五四に成 是を自
乗して三千百八十七歩○五四一壱六 是を
右の三千三百八十七歩二四の内引残て
弐百歩○○一八五八八四有 是を開平に割
十四間一四八七に成 是に六十三間九二二六を
かけて九百〇四歩四二一六九〇六二に成 是
を五十八間二分を以て割十五間五四に
成 是を自乗して弐百四十一歩四九一六に成
是を右の四千〇八十六歩九八八六四の内引
残る三千八百四十五歩四九七〇四を開平に
割六十弐間○一二に成 さて壱万四千四百
歩の内四千〇八十六歩九八八六四を引残
壱万〇三百十三歩○壱一三六へ右弐百四十
一歩四九一六をかけて弐百四十九万〇五百〇五
歩六一四余成 是を右の四千〇八十六歩
九八八六四を以て割六百〇九歩三七四
に成 是を開平に割廾四間六八五五に成
是に右の六十弐間○一二を加て八十六間
六九七五有 是を自乗して七千五百
十六歩四五六五〇六二五 是右壱万四千
四百歩の内引残る六千八百八十三歩五
四三四九三七五に成 是を開平に割八十
弐間九六七有 是を百廾間の内引残ル
三十七間○三三を弐つに割矢十八間五一
六五に成 是を又弐つに割九間二五八二五
に成 是に百廾間を加て百廾九間二五八二五
に成 是へ右の十八間五一六五をかけて弐千
三百九十三歩四一〇三八六一二五に成 是に四を
かけて九千五百七十三歩六四一五四四五 是
を開平に割九十七間八に成 此内弧六十
七間八分を引残る卅間は是水溜の
弧也 さて右八十六間六九七五の内弦六
十間を引残る廾六間六九七五 是則
水溜の弦也 是を六十間の内引残
卅三間三〇二五を弐つに割十六間六五壱
二五に成 さて径百廾間を弐つに割六十間
此内右の十六間六五ー二五を引残て
四十三間三四八七五有 是を径百廾間
の内引残る七十六間六五ー二五へ四をか
けて三百〇六間六〇五に成 是に四十三間
三四八七五をかけ壱万三千弐百九十歩○
九四三四九三七五有 是を開平に割百
十五間二八五四に成 此内右の八十二間九六
七を引残る三十弐間三一八四を弐つに割は
十六間一五九二有 是鈎也

七十
指渡三百間有屋敷のうちに量て取
申候に南北に池有 扨中の地形は西百
十間○五分 東八十間 北の堀端六十間
南卅八間二分有 南北の池弧何程
弦何程 又中の地形の矢を問
答曰
北弧百廾ハ間四八五 北弦百〇七間四九九
南弧四十三間八五五 南弦五十三間三三三
法曰 径三百間を自乗して九万歩あり
西弧百十〇間○五を自乗して一万弐千二
百十歩○二五 是を弐つに割六千百〇五歩
一二五 是に九万歩を加て九万六千百〇五歩
一二五 是を開平に割三百十間に成 此内
三百間を引残て十間有 三百間の内
右十間引残る弐百九十間へ十間をかけて
弐千九百歩 是に四をかけて壱万千六
百歩 是を開平に割百〇七間七分有
扨六十間を自乗して三千六百歩 又八十間
を自乗して六千四百歩 是に右三千六百
歩加て壱万歩 是を開平に割百間に
成 此百間を以て三千六百歩を割は
三十六間に成 此三十六間を自乗して千弐
百九十六歩 是を右の三千六百歩の内引
残る弐千三百〇四歩を開平に割四十八
間に成 さて南卅八間二分を自乗して千
四百五十九歩弐四に成 さて右壱万千六
百歩へ壱万歩加て弐万千六百歩 此内
右の千四百五十九歩弐四を引残る弐万
〇百四十歩○七六を弐つに割一万〇〇七〇三
八を右の百〇七間七分を以て割は九十
三間五分に成 是を自乗して八千七百四
十弐歩二五 是を百間を以て割八十七
間四弐弐五に成 是を自乗して七千六
百四十二歩六九三五〇六二五 是を右の八
千七百四十弐歩二五の内引残る千〇
九十九歩五五六四九三七五を開平に割三
十三間一五九五に成 是に右の四十八間を加
八十一間一分五九五に成 是を自乗して
六千五百八十六歩八六四四四〇弐五に成 又
八十七間四弐弐五の内三十六間を引残る
五十一間四二二五を自乗して弐千六百
四十四歩弐七三五〇六弐五 是に右の六
千五百八十六歩八六四四四〇二五を加て
九千弐百三十一歩一三七九四六五有 扨
右八千七百四十二歩二五と三千六百歩
と合て一万弐千三百四十弐歩二五 此内
九千弐百三十一歩一三七九四六五を引残
三千百十一歩一ー二○五三五 是を弐つに割
千五百五十五歩五五六〇二六七五 是を
六十間を以て割廾五間九二五九に成 是
に百〇七間七分をかけて弐千七百九十弐
歩弐一九四三に成 是を九十三間五を以
割は廾九間八六三に成 是を自乗して
八百九十一歩七九八七六九に成 是を右一万千
六百歩の内引 残る一万〇七百〇八歩二〇一
二三一を開平に割 百〇三間四八に成 さて
径自乗九万歩の内右の壱万千六百
歩を引残て七万八千四百歩有 是に
右八百九十一歩七九七六九をかけて六千
九百九十一万六千九百三十八歩八九六に成
是を右の一万千六百歩を以て割は
六千〇廾七歩三二二三に成 是を開平に
割七十七間六三五に成 是に百〇三間四八ヲ
加て百八十一間一一五に成 是を自乗して
三万弐千八百〇二歩六四三二二五に成 是ヲ
九万歩の内引残る五万七千百九十七歩
三五六七七五を開平に割 二百三十九間
一五九六に成 是を径三百間の内引残る
六十間○八四〇四を弐つに割三十間○四二〇二
と成 是に北六十間を加て九十間○四二〇二
と成 此内右廾九間八六三を引 残る六十
間○五五七二 是本矢也 扨三百間の内六十間
○五五七二を引 残る弐百三十九間四四二八有
是に六十間○五五七二をかけて一万四千五百
歩に成 是を開平に割百廾間○四一六に成
扨六十間○五五七二を弐つに割三十間○二七
八六 是に径三百間加て三百三十間○二七
八六 是に六十間○五五七二をかけて弐万歩
に成 是を開平に割百四十一間四二に成 扨
六十間○五五七二の内 北六十間を引 残て
五分五七二有 是を径三百間の内引 残る
弐百九十九間四四二八へ右の五分五七二を
かけて百六十六歩八四九五二八一六 是を
開平に割十二間九一七に成 又五分五七二を
自乗して三分一〇四七一八四に成 是に一つ五分
をかけて四分六五七〇七七六に成 是に右の百
六十六歩八四九五二八一六を加て百六十
七歩三一五二三五九二に成 是を開平に割
十二間九三五と成 さて百廾間○四一六
の内十二間九一七を引 残る百〇七間四九九は
北の池の弦也 又百廾間○四一六と十二間九
一七と合て百三十三間三三三に成 此内東八十
間引残る五十三間三三三は南の池の弦
也 又百四十一間四二の内右十二間九三五を
引 残る百廾八間四八五は北の池の弧也
又百四十一間四二と十二間九三五を合て
百五十四間三五五の内 西の百十間○五ヲ
引残る四十三間八五五は南の池の弧也

七一
此法三十二番目同意也

七二
径弐尺五寸の丸ふたのかけ弧一
尺七寸八分 左右の登と下の
弦と三方ともに打廻し一尺ハ
寸壱分有 下弦左右登を問
答曰
下弦一尺二寸七分四厘
左右登各弐寸六分八厘
法曰 径二尺五寸を自乗して六百廾五歩
弧一尺七寸八分を自乗して三百十六歩
八四 是を弐つに割百五十八歩四二 是に右
六百廾五歩を加て七百八十三歩四二 是
を開平に割弐尺七寸九九有 此内二尺五寸
引残て弐寸九九有也 是を弐尺五寸の内
引残る弐尺二寸○一有へ弐寸九九をかけて
六十五歩八〇九九 是に四をかけて弐百六十三
歩二三九六 是を開平に割 上の弦一尺六
寸二二を知る 扨二尺五寸の内一尺八寸一分を
引 残る六寸九分へ上弦一尺六寸二二をかけ
百十一歩九一八に成 扨二尺五寸の内上弦一尺
六寸二二を引 残る八寸七八を以て割 一
二寸七分四厘に成 是則下の弦なり
是を一尺八寸一分の内引 残る五寸三分
六リを弐つに割 登り各弐寸六分八り也

七三
径弐百間の丸屋敷のはづれ如図
の地形 弧二百十五間 長弦百廾三間
短弦七十間有 是を三人に割渡時 北
は長弦の筋を用て縄を張 南は
短弦の筋を用縄を張 此堺間を問
答曰
長弦継縄張二間三六壱二
短弦継縄張三間八二一四
法曰 径弐百間を自乗して四万歩 又弧弐
百十五間を自乗して四万六千弐百廾五
歩 是を弐つに割 弐万三千百十二歩五に成
是に四万歩を加て六万三千百十二歩五
を開平に割弐百五十一間二二二に成 内弐百
間引 残る五十一間二二二を又弐百間の内
引 百四十八間七七八有 是に五十一間二二二を
かけて七千六百廾歩○七〇六七一六に成 是に
四をかけて三万〇四百八十弐坪八二六八六四
是を開平に割 百七十四間五九三 扨百廾
三間を自乗して壱万五千百廾九歩
又七十六間を自乗して五千七百七十
六歩 是を右壱万五千百廾九歩の内引
残て九千三百五十三歩有 是に右三万
○四百八十二歩八二六八六四を加て三万九
千八百三十五歩八二六八六四に成 是を二
つに割 壱万九千九百十七歩九一三四三二
に成 是を百七十四間五九三を以て割 百
十四間○八に成ヲ自乗壱万三千〇十四歩二
四六四に成 是を壱万五千百廾九歩の内引
残る弐千百十四歩七五三六を開平に割
四十五間九八六に成 扨径を弐つに割 百間此
内矢五十一間二二二を引 残る四十八間七
七八へ鈎四十五間九八六を加て九十四間七
六四に成 是自乗して八千九百九十二歩
二一五六九六に成 扨右百七十四間五九三を
弐つに割 八十七間二九六五 是を百十四間
○八の内引 残て廾六間七八三五有 是を
自乗して七百十七歩三五五八七二二五に
成 是を右の八千九百九十九歩二二一五六九
六へ加て九千七百〇九歩五七一五八八五に成
又径を弐つに割 百間 自乗して壱万歩
此内右の九千七百〇九五七一五八八五を引
残る弐百九十歩○四二八四一壱五を長弦
百廾三間を以て割 弐間三六壱二に成
是則長弦の仕継也 又右の弐百九十
歩○四二八四一壱五を短弦七十六間を
以て割 三間八二一四に成 是則短弦継也

七四
扇形の屋敷弧八十間 左右
登も中も各九十間宛有
此外へつきいたし圓地形に
仕候はは指渡し何程と問
答曰 圓径九十九間六分○五
法曰 弧八十間を自乗して六千四百歩
是を弐つに割 三千弐百歩 是に九十間
の壱倍百八十間の自乗して三万弐千
四百歩を加て三万五千六百歩を開
平に割百八十八間六八に成 此内右百八十間
引 残て八間六八有 是を又百八十間の内
引 残る七十一間三二へ右の八間六八をかけ
千四百八十七歩○○七六に成 扨百七十一間三
弐のうちにて九十間を引 残る八十
一間三二を以て右の歩千四百八十七歩
○○七六を割は十八間二八五に成 是に八十一
間三二を加て圓径九十九間六〇五
と知なり

七五
此径弐百五十間 此道幅五間にして
残る歩を三人へ等分に割渡間を問
答曰 (図略)
法曰 道幅五間に二人四分をかけて十二間に
なる 是を径倍五百間の内引 残へ径二百
五十間をかけて十二万二千歩に成 是を三人
を以て割 四万〇六百六十六歩 是を開
平に割二百〇一間六分 是を径の内引 残
四十八間四分を右の弐百〇一間六へかけて
九千七百五十七歩四四に成 是に定法五六
をかけて五千四百六十四歩一六六四に成 是
を径二百五十間に割 廾一間八五六六六六に成
是を右の二百〇一間六の内引 残を弐つに
割上屋敷の矢八十九間八七也 此弦を見
るには径弐百五十間の内 矢八十九間八七を引
残る百六十間○一三ヘ八十九間八七をかけて又
四をかけて五万七千五百六十三歩五三二
四に成 是を開平に割 上弦弐百三十九間
九分に成 【矢径を以て弦を知る術何れも如此なり】 上孤三百廾三間
三分と置 是に径半百廾五間をかけ四万
〇四百十二歩半に成 さて百廾五間の内矢
八十九間八七を引残る三十五間一三を
弐百三十九間九分へかけて八千四百廾七歩
六八七有 是を右の四万〇四百十二歩五の
内引 残を弐つに割は一人前の歩数一
万五千九百九十二歩四〇六五に成 【円闕の歩数を知る術何れも如此】
扨八十九間八七に道五間加て九十四間八
七に成 是を矢にして右の行を以て此弦
を見るに弐百四十二間六分に成 同しく右の
行を以て此歩数を見るに壱万七千百
九十八歩 是を惣歩数四万九千三百
七十五歩の内引 残を弐つに割 壱万六
千〇八十八歩五分 此内を一万五千九百九
十二歩引 残る九十六歩五分を置 それを
径二百五十間の内九十四間八七を引 残る百
五十五間一三を以て割 六分一り七毛五に成
扨右弐百四十二間六分を弐つに割 百廾
一間三分 此内右の六分の一り七毛五を引て
残左矢百廾間○六八二五有 さて二
百三十九間九分を弐つに割 それに道五
間を引 残りへ六分一七五を加て右矢
百十五間五分六七五に成 さて右の百五
十五間一三に道五間加て 右弦百六十間
○一三に成 右の道それぞれの間則圓に
書つけ置申唯其所を見て御
合点あるへし

七六
今径百五十間の圓屋敷の中
二折曲の道を幅三間にあけ
残る歩を四人に分渡時 束西の坪
数より南北の坪数は外二割半衰にして銘々を問
答曰 (図略)
法曰 径百五十間を自乗して弐万弐千五百歩
さて道幅三間に百五十間をかけ四百五十
歩 是を弐万二千五百歩の内引 残て二
万弐千〇五十歩有 扨南北二人と置ー二五を
以て割は一人六分に成 是に東西弐人加
三人六分に成 是を以て右の弐万弐千〇五十
歩を割 六千百廾五歩 是に弐人をかけて
一万弐千二百五十歩 扨道幅三間に弐人を
かけて六間 是を右の三人六分に割はー間
六六六に成 是を百五十間の内引 残る百四
十八間三三三を以て右一万弐千弐百五十歩
を割八十二間五八四に成 扨是に百五十間
の内道幅三間引 残る百四十七間をかけ
一万弐千百三十九歩八四八に成 是をー二五
を以て割 九千七百十一歩八七八四に成
是を開平に割九十八間五四八に成 是を
径百五十間の内引 残る五十一間四五二を
右の九十八間五四八へかけて五千〇七十歩
○四九一六九六 是に定法五六をかけて弐
千八百廾四歩九三に成 是を径百五十間に
割十八間八三二八六に成 是を右の九十八
間五四八の内引 残七十九間七一五一四を
弐つに割 南北各矢三十九間八五七五七ニ
なる 扨径百五十間の内右の七十九間七一五
一四を引 又道三間をも引 中矢六十七間
二八四八六に成 又矢三十九間八五七五七 此弦
を見るに百三十二間半也 又三十九間八五
七五七に道幅の三間加て矢四十二間八
五七五七 此弦を見るに百三十五間半 此内
道三間引 残りを弐つに割 左弦六十
六間二五に成 又右の百三十弐間半の内
道三間引 残弐つに割 右弦六十四間七五也

七七
今径百八十間の圓屋敷の中に幅
三間に道を縦に弐筋 横に弐筋あけ 残
る坪数を等分に五人に分渡し銘々の間を問
答曰 (図略)
法曰 径百八十間を自乗して三万弐千四百歩
有 さて道幅三間を倍シテ六間を百八十間
へかけて千〇八十歩を三万弐千四百歩の内
引 残る三万千三百廾歩を五人に割六千
弐百六十四歩 是を三人へかけ一万八千七百
九十弐歩に成 さて道幅三間を五人に割
それへ三人をかけ一間八分に成 さて百八
十間を弐つに割 九十間へ右一間八分加て
其内三間引 残八十八間八分有 是を以て
右の一万八千七百九十弐歩を割 弐百十一間
六分ニリに成 是へ百八十間の内六間引 残る
百七十四間をかけて それを三人に割一万
弐千弐百七十三歩九六に成 是を開平に割
百十間○七八七に成 是を径百八十間の内を
引 残六十九間二一三ヘ右の百十間○七八七
をかけて七千六百六十七歩九 分是に定
法五六をかけて四千弐百九十四歩○二四
是を径百八十間を以て割 廾三間八五五
に成 是を右の百十間○七八七の内引 残る
八十六間九分三り二毛を弐つに割 左右の
矢各四十三間四六六也 扨百八十間の内
道幅一倍六間引 又右の八十六間九三弐
を引 残て中の横矢八十七間○六八なり
扨矢四十三間四六六と径百八十間を以て
弦百五十四間○七と知る也 扨此歩を見るに四
千八百廾八歩也 是を八十七間○六八を以て
割中の縦の矢五十五間四四五也 さて
右の矢四十三間四六六へ道三間加て四十
六間四六六 此弦を見るに百五十七間五
四 此内道幅一倍六間を引 又中矢五十
五間四四五をも引 残りを弐つに割て
たての端矢四十八間○四七五に成

童介抄巻之四目録
第七十八 七十九 八十 八十一 八十二 八十三玉闕
第八十四平卵形  第八十五立卵形
第八十六空卵形  第八十七卵等分
第八十八卵闕   第八十九平卵径
第九十立卵径   第九十一卵半積
第九十二円臺積  第九十三扇紙臺
第九十四薬研坪  第九十五器盈朒
第九十六増滅法  第九十七幾衰法
第九十八幾衰増減
第九十九圓曜直
第百方曜直

童介抄巻之四   野沢忠兵衛尉述
算法闕疑抄百好之答

七十八
貫三尺有 王をまんなかより弐つに切
わけ 又左右よりそぎ落シ貫半
一尺五寸 横五寸あり 此坪数を問
答曰 寸坪千弐百十坪
法曰 横五寸を自乗して廾五歩 是を貫
三尺の自乗九百歩を加 九百廾五歩を
開平に割 三尺○四一三 是を以て九百歩を
割二尺九寸五分九二に成 是を自乗し
八百七十五歩六八六四六四に成 是を九百歩
の内引 残る廾四歩三一三五四 是を開平に
割四寸九三〇八に成 是を貫三尺の内引残
を弐つに割 矢一尺二寸五分三四六に成 是に
右の二尺九五九二をかけて三百七十歩○九
二 是に此玉の周九尺四寸八分六リをかけ
三万五千百八十五坪四七一二に成 是を三一に
割 一万千三百五十坪○一五二に成 是を
此玉の惣坪数壱万三千七百七十坪の内
引 残りを弐つに割 此坪数千弐百十坪也

七九
貫三尺の玉のかけ弦一尺二寸五分
短弧五寸七分有 此坪数と長弧
と矢とを問
答曰 寸坪三十一坪三分五リ
法曰 貫三尺を自乗して九百歩 弦一
尺弐寸五分を自乗して百五十六歩二五 是
を右九百歩の内引 残る七百四十三歩七
五を開平に割 二尺七寸弐分七り二毛に成
是を三尺の内引 残る弐寸七二八を弐つに割
矢一寸三分六り四毛に成 是に弧五寸七分を
かけて七歩七七四八 是に一尺二寸五分をかけて
寸坪九十七坪一八五に成 是を定法三一にて
割三十一坪三分五厘 是此坪なり

八十
貫三尺有玉のかけ切口矢端五寸 短
弧四寸 弦端一尺四寸一分有 此坪数
を何程あるそと問
答曰 寸坪九十五坪四分三り九七
法曰 弦端一尺四寸一分を自乗して百九
十八歩ハー 又矢端五寸を自乗して廾
五歩 右二口合弐百廾三歩八分一り 是を
貫三尺の自乗九百歩の内引 残る六
百七十六歩一九へ右の廾五歩をかけて
壱万六千九百〇四歩七五に成 是を弐百
廾二歩八一を以て割 七十五歩五三一に成
是を開平に割八寸六九〇八 是に弦端
一尺四寸一分加て弐尺二寸七分九リ○八に成
是を自乗して五百十九歩四二〇五六四
六四に成 是を九百歩の内引 残て三
百八十歩○五七九四三五三六 是を開平に
割一尺九寸五分○八四 是を三尺の内引
残る一尺○四九一六を弐つに割 五寸二四五
八に成 是に弦端一尺四寸一分をかけて七十三
歩九六五七八 是に短弧四寸をかけ弐百九十五坪
八六三一弐 是を三一を以て割 此坪九十五坪四三九七

八一
今惣貫四尺有玉乃闕のはし
を又切取て其切口の弦八寸
同矢二寸有 此坪数何程と問
答曰 寸坪一万弐千〇十一坪八分五り六毛
法曰 弦八寸を自乗して六十四歩 是を矢
二寸を以て割 三尺弐寸に成 是を四つに割
八寸 是に矢二寸加て一尺に成 さて貫四尺
を自乗して千六百歩 此内一尺の自乗
百歩を引 残る千五百歩を開平に割
三尺八寸七分三り 是を四尺の内引 残る
一寸弐分七リを弐つに割 六分三り五毛に成 扨
矢弐寸を倍して四寸 是を右の一尺の内
引 残る六寸を自乗して三十六歩是
を右千六百歩の内引 残る千五百六十
四歩を開平に割 三尺九寸五分四り 是を
四尺の内引 残る四分六リを弐つに割二
分三り 是を右六分三り五毛の内引 残て
四分○五有 さて四尺の内右の六寸を
引 残る三尺四寸を弐つに割 一尺七寸に成
さて三尺九寸五分四リの内右の四分○五
を引 残る三尺九寸一三五を自乗して
千五百三十一歩五四八二二五有 是に矢二
寸の自乗四歩を加て千五百三十五歩
五四八二弐五に成 是を千六百歩の内引
残る六十四歩四五一七七五有 是を開平に
割八寸○二八に成 是を四尺の内引 残て
三尺一寸九七二有 さて四尺に四をかけて
一丈六尺 是に右の三尺一寸九七二を加て
一丈九尺一寸九七二に成 是に三尺一寸九七二を
かけて六千百三十七歩七二八七四に成 是を二
つに割 三千〇六十八歩八六四三九二に成 是を
開平に割五尺五寸三九七に成 是に右一尺
七寸をかけて九百四十一歩七四九に成 是に
右の三尺九寸五分四リをかけて 三万七千
弐百卅六坪七五五四六に成 是を三一を以て割
此坪数壱万弐千〇十一坪八五六に成

八二
貫四尺の玉の闕の端を左右より
又切落し短弦九寸 長弦一尺
弐寸 弧一尺六寸弐分あり 此坪を問
答曰 寸坪百五十九坪一分八リ八毛
法曰 九寸を自乗して八十一歩 又一尺二寸
を自乗して百四十四歩 右二口合弐百廾
五歩 是を弧一尺六寸二分の自乗弐百
六十弐歩四四の内引 残三十七歩四四を
六つに割 六歩二四 是を開平に割 弐
寸四九八に成 是を以て右の弐百弐十五歩
を割九尺○○七り二毛に成 是を四つに割
二尺弐寸五一八に成 是に弐寸四九八を加て二
尺五寸に成 此二尺弐尺五寸を自乗して
六百廾五歩 此内右の弐百廾五歩を引て
残四百歩へ右九寸の自乗八十一歩をかけ
三万弐千四百歩 是を右の弐百廾五歩を
以て割 百四十四歩に成 是を開平に割一
尺弐寸に成 此一尺二寸に長弦一尺弐寸加て
弐尺四寸に成 此弐尺四寸の弦と径弐尺五寸
とを以て矢九寸と知る也 扨貫四尺の
自乗千六百歩の内二尺五寸の自乗
六百廾五歩を引 残りを開平に割三
尺一寸二二五に成 是を四尺の内引 残を弐
つに割 四寸三八七五に成 扨右の九寸を倍
して一尺八寸 是を弐尺五寸の内引 残
て七寸 此七寸を自乗して四十九歩を
千六百歩の内引 残を開平に割
三尺九寸三八 是を四尺の内引 残リを
弐つに割 三分一り 是を右の四寸三分
八七五の内引 残て矢四寸○七七五也
さて四寸三八七五へ径倍八尺を加て
それへ四寸三八七五をかけて一倍にすれ
は七百四十歩○五〇〇三一二五〇七になる
是を開平に割 弐尺七寸二壱二に成 扨
右の三分一リを自乗して六をかけ
五七六六に成 扨右の七寸の自乗ヘ
加れは四十九歩五七六六に成 開平に割
七寸○四一に成 是を右の弐尺七寸弐一弐の内引
残リを弐つに割 弧一尺○○八五五に成
扨此壱尺○○八五五へ四寸○七七五をかけ
四十一歩壱弐三五四一に成 是に 弦一尺二
寸をかけて四百九十三坪四分八厘弐
毫四糸九忽弐微有 是を定法
三壱を以て割は此寸坪百五十九
坪一分八り八毫あり

八三
今惣貫二尺五寸有玉乃闕又左
右より闕申候 但中の闕弧一尺六寸
弐分 右登八寸 左登六寸 渡九寸有
左右のかけの弦と弧を問
答曰
右弧七寸六二八 弦九寸六六
左弧七寸六二八 弦五寸
法曰 弧一尺六寸二分を自乗して二百六
十二歩四四 是を弐つに割 百二十一歩二弐
へ貫自乗六百廾五歩を加て七百五十六
歩二二に成 是を開平に割 二尺七寸五分有
此内径二尺五寸引残て弐寸五分有 是
を二尺五寸の内引 残る弐尺二寸五分へ右弐寸
五分をかけ 又それへ四をかけて弐百廾五歩
是を開平に割 一尺五寸に成 此内渡九寸
を引 残る六寸を自乗して三十六歩
是に右長登八寸の自乗六十四歩を
加え百歩有 此内左短登六寸の自
乗三十六歩を引 残て六十四歩有
是を一尺五寸の内九寸引たる残り
六寸を倍して一尺弐寸 是を以て割は
五寸三三三に成 是を自乗して廾八歩
四四四に成 是を長登八寸の自乗六十
四歩の内引 残る卅五歩五五を開平
に割 五寸九分六二八に成 是に右の弐寸五
分加て八寸四六二八に成 是を貫二尺五
寸の内引 残る一尺六寸五三七二へ右の八
寸四六二八をかけて百三十九歩九五一
に成 是に四をかけて五百五十九歩八分 是
を開平に割 弐尺三寸六六に成 扨右の八
寸四分六二八を自乗して 又それに六を
かけて四百廾九歩七一三九に成 是に右の五百
五十九歩八分を加て九百八十九歩五一三九
に成 是を開平に割 三尺一寸四五六に成
此内右の弧一尺六寸二分を引残を弐つ
に割七寸六二八に成 是左右ともに弧は
各是程宛有 さて右弐尺三寸六六の
内一尺五寸を引 残を弐つに割 四寸三三
に成 是に右の五寸三三を加て右のかたの
かけの渡闕尺九寸六六と知る また四寸
三二に一尺五寸加て渡九寸引 残て一尺○
三三に成 此内五寸三三を引 残五寸は則左
のかたのかけの闕尺五寸と知へし

八四
今間歩七百四十八歩九四〇六二五
有 是を長径三十八間の平
卵形にして短径何程と問
答曰 短径廾二間半
法曰 方周四の内ノ圓周三一六二を引 残
八三八を以て惣歩数七百四十八歩九四〇
六二五へかけて六百廾七歩六壱二二四三
七五に成 扨三十八間を自乗し千四百四
十四歩に成 此内右の歩数を引 残て八
百十六歩三八七七五六二五有 是を開平
に割廾八間五七二五に成 是を三十八間
の内引 残て九間四二七五有 是を倍
して十八間八五五に成 是を右の八三八を
以て割は短径廾二間半と知る

八五
今寸坪弐千四百廾二坪有 是
を長貫二尺八寸の立卵形
にして短貫何ほとと問
答曰 短貫一尺五寸七分○弐毛
法曰 長貫一尺八寸へ玉法五一をかけて九
寸一分八リと置 扨商一尺と見立長貫
一尺八寸の内是を引 残る八寸へ二分八リ
をかけて【平圓法七九の内にて玉法五一を引残二八也】弐寸弐分四リに成
是を右の九寸一分八リヘ加て一尺一寸四二
是を商一尺へかけて百十四歩に成 是
を以て実を一桁割は商一尺也
不尽千弐百八十坪有 又一尺一四二へ商
一尺をかけ右の目安百十四歩二へ加て
弐百廾ハ歩四分有 扨次の商五寸と見
立是を倍して一尺 初商一尺へ加て弐尺
に成 初商一尺をかけて二百歩に成 二分八
をかけて五十六歩 是を右弐百廾八歩
四分の内引 残て百七十二歩四分有 扨
二の商五寸へ二八をかけて一寸四分 是を
右の一尺一寸四分ニリの内引 残て一尺○○
ニリ有 是に二の商五寸かけて五十歩○一
に成 是を右の百七十二歩四へ加て弐百廾
弐歩五分 是にて実を一桁割は商五
寸に成 不尽百六十七坪五分有 扨三の商
を見立置へし【是よりの術幾度も同じ】右一尺○○ニリヘ弐
の商五寸かけて五十歩○一分を弐百廾弐
歩六分へ加て弐百七十弐歩六分有 また
初商一尺を自乗して百歩 是に二八を
かけて廾八歩 是をも弐百七十弐歩六分ヘ
加て三百〇〇六に成 さて三の商七分と右
見立置たるを倍して一寸四分是へ初と
二との商一尺五寸加て一尺六寸四分へ初二の
商一尺五寸をかけて弐百四十六歩に成 是に
二八をかけて六十八歩八八に成 是を三百〇
〇六分の内引 残て弐百三十一歩七二に成

扨又三の商七分へ二八をかけて一分九リ
六毛 是を右の一尺○○二の内引 残て九
寸八二四に成 是に三の商七分をかけ六歩
八七六八を右の弐百三十一歩七二へ加て弐
百三十八歩五分九り六毛八糸に成 是を
以て実を一桁割 商七分と知る也
いくたひも右のてたてにして吉
商合て一尺五寸七分○二毛 是則短貫也

八六
今鉛三百十七貫八百三十弐匁有
是を以て厚二寸に空の卵形
を作る時 短貫より長貫はな
がき事五寸にシテ長短貫を問
答曰 長貫三尺  短貫二尺五寸
法曰 先鉛法八十めを以て右の鉛三百
十七貫八百三十弐匁を割 寸坪三千九百
七十二坪九分に成 扨厚二寸へ定法七分六
五をかけて一寸五分三に成 是にて惣坪
を割は二千五百九十六歩六六に成 扨
厚二寸を自乗して四歩 是に定法一三
をかけて五歩二を惣歩の内引なり
さて定法三一ヘ長き五寸をかけて三
つに割 五寸一六六に成 是を自乗して
廾六歩六九四四 是を惣歩へ加て弐千
六百十八歩一六一に成 是を開平に割五尺
一寸一六六 此内右の五寸一六六を引 残を弐つに
割二尺三寸に成 是に厚二寸加て貫短二尺五寸也

八七
今銀の卵形立長貫一尺二
寸 短貫七寸二分有 此坪数等
分に三つに切に 如図竪割にシテ切口問
答曰
短渡六寸九八五  左右深二寸七二七六
長渡一尺一七八五 真中深一寸七四四八
法曰 長貫一尺弐寸の内短貫七寸二分を
引 残る四寸八分へ円法七九をかけて三寸
七九二に成 又七寸二分へ玉法五一をかけて三寸
六七二に成 是に右三寸七九二を加て七寸四
六二に成 是ヲ長貫一尺弐寸を以て割は
六分二二に成 此内定減法二分三リを
引 残る三分九二を此法とす 扨短貫
七寸二分を自乗して五十一歩八四 是を
好みの三つに割は十七歩二八に成 是を
倍して三十四歩五六に成 是を開平に割
五寸八七八七に成 是を短貫七寸二分の
内引 残る一寸三二三三を以て五寸八
七八七へかけて七歩七七九二八三七一に成
是に此法とする三九二をかけて三歩○四九
四七九二壱四三二に成 是を短貫七寸
二分を以て割は四分ニリ三毛五糸成
是を右の五寸八七八七の内引 残る五
寸四五五二を弐つに割 二寸七二七六に成
是左右の深各如 此也さて此二寸七二
七六を短貫七寸二分の内引 残る四寸
四七二四を右の弐寸七二七六をかけて
十二歩一九八九一八二四に成 是に四をかけて
四十八歩七九五六七二九六に成 是を開平
に割六寸九八五に成 是短渡也 是に四寸
八分を加て長渡一尺一寸七八五なり

八八
今長貫一尺五寸 短貫一尺二寸
有卵形立のかけ長貫の半分を櫛の
ごとく左右よりそぎ落 短弧六寸五ふ坪問
答曰 寸坪百九十九坪一分○五一弐
法曰 短貫一尺二寸の自乗して百四十四
歩 短弧六寸五分を自乗して四十二歩
二五 是を弐つに割 廾一歩ー二五 是に百四十
四歩を加て百六十五歩ー二五に成 是を
開平に割 一尺二寸八五に成 此内短貫一
尺弐寸を引 残る八分五り矢也 扨短貫
一尺弐寸の内矢八分五り引 残る一尺一寸
一五へ八分五リをかけて九歩四七七五に成
是に四をかけて三十七歩九一に成 是を
開平に割 弦六寸一五七に成 さて長貫
半七寸五分の内 矢八分五り引 残て六寸
六五に成 是目安也 扨弦六寸一五七へ縦
横のちがい半分一寸五分をかけて九歩
二三五五 是を右の目安六寸六五を以て
割て寸三八八八に成 扨よこ一尺弐寸の内
一寸三八八八を引 残る一尺○六一ー二を弐つに
割五寸三分○五六に成 是に一寸三八八八を
加て六寸六九四四に成 是に五寸三〇五六を
かけて三十五歩五一七八〇八六四に成 是に
四をかけて百四十弐歩○七ー二三四五六
是を開平に割一尺一九弐に成 扨径一尺二寸
の周三尺七寸九四四を弐つに割 一尺八寸九七二
の内短弧六寸五分を引 残を弐つに割
六寸二三六に成 さて此六寸二三六へ五寸○
五六をかけ 寸歩三十三歩○八五七二一六に
成 是に弦一尺一寸九分をかけて寸坪三百
九十三坪七二に成 是を定法三一を以て
割百廾七坪に成 弐をかけて弐百五十四坪
に成 さて短貫一尺弐寸を自乗して
百四十四歩 是に短貫半の六寸をかけて
八百六十四坪 是に玉法五一をかけて四百四
十坪○六分四リに成 此内右の弐百五十四坪
引残て百八十六坪六四有 さて一
尺弐寸の内一尺一寸九分を引 残る一分
を弐つに割 五リに成 さて此五リを自
乗して弐り五毛に成 是に六をかけて一分
五り也 さて右一寸三八八八を自乗して
一歩七八九八八五四四に成 是に右の一分五リ
加て一歩九三九八八五四四 是を開平に割
一寸三九二八に成 是に短貫半六寸をか
けて八歩三五六八に成 さて六寸の
内五リを引 残る五寸九分五リヘ一寸三

八八八をかけて八歩二六三三六になる
是を右の八歩三五六八の内引 残
九リ三四四有 さて一寸三八八八を置
それに一尺一寸九分をかけて十六歩五二
六七二 是に右の九リ三四四を加て十六歩
六二〇一六に成 是にたてよこのちがい三
寸をかけて四十九坪八六〇四八に成 是を
四つに割 十弐坪四六五一弐に成 是に右
百八十六坪六四を加て此坪数百九十九
坪一〇五一弐ありと知るへし

八九
此外の堀共に長径卅間短径廾五間
有卵形屋敷の中の地形の角
より角迄の径十九間有 中の卵形
の長径短径を問
答曰
長径廾問○三七三九二
短径十五間三七三九二
法日長径卅問ヲ弐つに割 十五間 是を自
乗して弐百弐十五歩 又短径の半分
十弐間半を自乗して百五十六歩
二五 右弐口合て三百八十一坪弐五に成 是を
開平に割 十九間五二五に成 さて角径
十九間を弐つに割九間半に成 是へ短径
半十二間半をかけて百十八歩七五になる
是を右の十九間五二五を以て割は
六間○八一九四六に成 是を自乗して三
十六歩九九〇〇六七に成 又九間半へ長径
半十五間をかけて 百四十弐歩五になる
是を十九間五二五を以て割は七間
二〇一に成 さて長径と短径のちがい五間
を弐つに割 弐間半に成 是を右七間二
〇一の内引 残て四間七〇一有 是を自
乗して廾弐歩○九九四〇一に成 是に右の
三十六歩九九〇〇六七を加て五十九歩○ハ
九四六八に成 是を開平に割 七間六八六九
六 是を倍して堀の内短径十五間三
七三九二に成 是に五間加て長径廾間○三七三九二

九十
今長周五尺五寸五分 短周三尺
二寸の卵形立を筋違に切申候時切口
の長角径 短径銘々何程と問
但し角と書事は方竪にたとへ見れ
は角より角にあたるゆへなり
答曰
短貫一尺○壱分ニリ
長貫二尺一寸八分七リ
角径一尺九寸五分
法曰 短周三尺弐寸を三一六を以て割
短径一尺○一弐に成 長周五尺五寸五分の
内短周三尺弐寸を引 残て弐尺三寸五
分を弐つに割 一尺一寸七分五リに成 是に
短貫一尺○一弐を加て長貫二尺一八七
に成 扨一尺一寸七分五リを弐つに割 五寸八七
五也 是に短貫一尺○壱弐をかけて五十九
歩四五五 是を長貫二尺一寸八分七リを
以て割は弐寸七一八五に成 是を自乗し
て七歩三九〇二四二二五に成 又右の五寸
八七五を自乗して三十四歩五一五六
弐五 是に七歩三九〇二四二二五を加て四
十一歩九〇五八六七二五に成 是を開平に割
六寸四七三四に成 是を以て右の三十四
歩五一六二五を割は五寸三三二に成
是を自乗して廾八歩四三〇弐二四に成
さて短貫半五寸○六分を自乗して
廾五歩六〇三六に成 是に右の廾八歩四
三〇弐二四を加て五十四歩○三三八弐四
に成 此内右の三十四歩五一五六二五を引
残る十九歩五一八ー九九を開平に割 四寸
四一八に成 是に右の五寸三分三り弐
毛を加て 九寸七分五リに成 是を倍シテ
長角径一尺九寸五分になる

九一
長径五十間 短径三十五間の平卵形
の屋敷有 此内にて惣廻に深さ一間半
に泉水を堀中の地形を玉子を
長みに弐つに割たるなりにつき山に仕して
堀のはば何程 長短径を問但し
堀土にて中をつき申積りにして
答曰
山長径廾七間ハー○八六
山短径十二間八一〇八六
堀の幅十一間○九四五七
法曰 三十五間に円法七九をかけて廾七間
六五に成 是に長短のちがい十五間を加
て四十弐間六五に成 是に短径三十五間
をかけて千四百九十弐歩七五に成 是に深
一間半をかけて倍すれは 四千四百七十八
歩二五に成 是を玉法五一を以て割は
八千七百八十坪○八八に成 さて長短の違
十五間に深倍三間加て十八間に成 是に
円法七九をかけて十四間二二に成 是を玉法
五一を以て割 廾七間八六に成 さて八千
七百八十坪○八八と置 是に九をかけて七万
〇二百四十七坪○四也 さて廾七間八六を
自乗して七百七十六坪一七九六になる
是に又廾七間八六をかけて弐万千六百廾
四坪三六三六五六に成 是を倍して四万
三千弐百四十八坪七二七三一二に成 是を三
つに割 一万四千四百十六坪弐四に成 是を
右七万〇二百四十七坪○四の内引 残て
五万五千八百三十坪○八有 又深倍三間
を玉法五一を以て割五間八八弐三五に成
是に長さ十五間をかけて 又三をかくれは
弐百六十四歩七〇五七五に成 是に廾七間八六
をかけて七千三百七十四坪七〇二一九五に成
是に五万五千八百三十坪○八分を加て六
万三千弐百〇五坪五〇弐一九五に成 さて
七百七十六歩一七九六の内右の弐百六十
四歩七〇五七五を引 残て五百十一坪四
七三八五有 さて初商六十間と見立
右五百十一坪四七三八五へ商六十間をかけ
三万〇六百八十八坪四三一を六万三千二
百〇五坪五〇二一九五へ加て九万三千
八百九十三坪九三三一九五に成 扨六十間
を自乗して廾一万六千坪を三つに
割 七万弐千坪を積にて引 残積二
万千八百九十三坪九三三一九五有 さて
次の商六間と見立六十六間と置 是に
初商六十間をかけて三千九百六十歩 此
内五百十一歩四七三八五を引 残る三千四百
四十八歩五二六一五を以て残積を一桁
割は商六間と知る 六間の小角に七十二坪
引 不盡千百三十坪○七七六二九五あり
又三の商二分と見立六十六間二分と置
是に六十六間をかけて四千三百六十九歩
二分 此内五百十一歩四七三八五を引 残
三千八百五十七坪七二六一五を以て
不盡を一桁割 商二分と知る 二分の小
角二毛六糸六六を引 不盡三百五十
九坪二二八四有 さていくたひも右の
てたてにして商六十六間二九二六に
なる 此内廾七間八六を引 残る三十八
間四三二六を三つに割 つきやまの短
径十二間八一〇八六に成 是に十五間加て廾
七間ハー○八六 是つき山の長径也 扨卅五間
の内十二間八一〇八六を引 残を二つに割は堀幅也

九十二
此御好こと葉すくな
く御座候故 くるい申候 堀を
あさくほり候へは台もひ
きくふかくほり候へは台高し
然は心のままに候

九三
間坪一万弐千坪を扇紙形の土
手に筑申時 廣縦より下のせは縦は内四
割挟 下幅は下の廣縦の十分一 高は下ノ
挟縦の十分一にシテ上ノ【廣狭】縦幅は下に応様にシテ
答曰

廣縦九十二間六〇四
狭縦五十五間五六二四

廣縦百五十四間三四
狭縦九十二間六〇四
上幅九間二六〇四
高九間弐六〇四
下幅十五間四三四
法曰 廣縦は下のを一尺と定狭縦は
六寸 高六分 幅一寸 扨六寸を上の廣縦
とし 是に六をかけて三寸六分に成 是を
上の狭縦とし 上幅は六分也 扨上の
廣狭合て九寸六分を弐つに割 四寸八
分也 下も廣狭合て一尺六寸を弐つに
割八寸に成 さて九寸六分に八寸加て一尺七
寸六分に成 是に上幅六分をかけて十歩○五
六也 又一尺六寸へ四寸八分加て弐尺○八分に
なる 是に下幅一寸かけて廾歩○八分に成 是に
右十歩○五六を加て三十一歩三六に成 是
に高六分をかけて十八坪八一六に成 是を
六に割 三坪一三六に成 是を以て惣坪
数壱万弐千坪を割は三百八十弐万
六千五百三十坪○六分一リになる 是を
開立法を以て割は下の廣縦百
五十四間三分四リに成 下幅は十分一なる故
十五間四三四 扨下縦に六分をかけて九十二間六
〇四に成 是則下狭縦と上廣縦と如此
高と上幅とは下狭縦の十分一 九間二六〇四也

九四
今長径九寸五分 短径二寸五分
ふかさ真中にて二寸弐分有や
げんの坪数何程 又やげんの
底の弧と口の弧を問
答曰
寸坪十七坪七四五四六七
底弧一尺○九分ニリ
ロ弧九寸九分八厘
法曰 長径九寸五分を自乗して九十歩
○弐五 扨短径二寸五分を倍して五寸
を以て右九十歩○二五を割は一尺八寸
○五に成 是を自乗して三百廾五歩八
〇二五也 さてふかさ弐寸二分を自乗
して四歩八四に成 又短径二寸五分を
自乗して六歩二五に成 是ヲ四つに割は
一歩五六二五 是に四歩八四を加て六歩四
〇二五に成 是に三百廾五歩八〇二五をかけ
弐千〇八十五歩九五〇五〇六二五に成 是を
右の四歩八四を以て割は四百三十歩
○九八一五に成 是に右の六歩四〇弐五を加
四百三十七歩三八四に成 是を開平に割
弐尺○九一三七に成 さて四百三十七歩三八四
の内 右九十歩○二五を引 残る三百四十七
歩一三四を開平に割 一尺八寸六三一五
に成 是を二尺○九一三七の内引 残る二寸
二八二二を弐つに割て一寸一分四一壱に成 又
右の四百三十歩○九八一五を開平に割
二尺○七六に成 是を右の弐尺○九一三七
の内引 残る一分五三七を自乗して
二り三六二三六九に成 是に六をかけて一分
四一七四二四に成 右六歩四〇二五へ四をかけ
廾五歩六一に成 是に右の一分三一七四二四
を加て廾五歩七五一七四二一四に成 是
を開平に割五寸○七四六に成 是則
真中横の廻リの度也 さて九寸五
分へ右一寸一四一壱をかけて十歩○八四
〇四五 是に五寸○七四六をかけて五十五坪
○一〇九四七五七に成 是を三一にて割は
此坪数十七坪七四五四六七有 又そこ
の弧を知るには 右四歩八四へ六を
かけて廾九歩○四 是に九十歩○二五を
加て百十九歩二九を開平に割 一尺○
九二 是そこの弧なり 又口の弧を知
には右一歩五六二五へ六をかけて九歩
三七五に成 是に九十歩○二五を加て九十
九歩六二五に成 是を開平に割 口弧九寸九八也

九五
今圓切籠に七盃と そばかたに十一
盃はかる酒を切籠にて十二盃はかれ
は三合餘る 又切子に五盃とそば
かたに三盃はかる酒を圓切子に八盃
にて餘り不足なしにとりあふた
り又円切子に四盃と方切子に九盃と
酒をそばかたに廾二盃とて三合不足 各尺問
答曰
圓切子径一尺一寸三分九り四毛
切籠方九寸○七り弐毛九糸
蕎麦方二尺○三分一り九毛
法曰
【方切子五つ そはかた三つ】合すれは円切子八つに同そは
此の八つと合ときは方切子とそはかたに
なをすと心得へし さて好【円切子四つ 方切子九つ】
是そはかた廾弐盃に三合不足とある也
是を圓切子八つになるつもりにするには
ー倍にして吉 此心は圓切子を方切子と
そはかたにせんがため也 見れば方切子
廾三の内そはかた四十一ひかんとすれは
六合不足と知るなり 扨又【円切子七つ そはかた十一】是
切子十二盃に三合あまると有 是を円
切子八つになる積りにするには七つに割
八をかけて吉 此心も右同前にて見
れは そはかた十五五七一四の円方切子
八つ七一四二を引 残三合四二八五有 さて
是を方切子廾三に成積にするには此切
子数八つ七一四二を以て割 それへ廾
三をかけて吉 見れはそはかた四十一〇
九八七の内 切子廾三引 九合○四九餘る
さて此そはかたの数四十一〇九八七の内
四十一引 さて六合と九合○四九とを合
せて見れはそはがた九厘八六九此
升数一升五合○四九と成 是則そはか
た九り八六九を以て一升五合○四九を割
ばそはかた一つに酒一斗五升弐合四勺八才
人と知れ申候 さてそはかた四十一と置
是に一斗五升二合四勺八才をかけて六石弐
斗五升一合六勺八才に成 此内六合引残ル
六石弐斗四升五合六勺八才を方切子
廾三に割は方切子一つに酒弐斗七升
一合五勺五才一札三圭入なり 又そはが
た廾弐へ壱斗五升二四八をかけて三石三五
四五六に成 此内三合引残て三石三斗五升
一合五勺六才有 方切子九つに弐斗七升一合
五五一三をかけて弐石四斗四三九六一七
に成 是を右の三石三斗五升一合五勺六才
の内引 残て九斗○七合五勺九八三を
圓切子四つに割は円切子一つに酒弐斗弐
升六合九勺入也 さて一斗五二四八へ今
升法六四八二七をかけて九百八十八坪四
八二〇九六に成 是をそはかたの法一壱七八
三を以て割は八千三百八十九坪○五
になる 是を開立に割そはかた方二尺
○三分一り九毛になる 又弐斗七升一五五
一三と置 是に六四八二七をかけて千七百
六十坪○三八五六一弐五一に成 是を方切
子の法二三五七を以て割は七百四十
六坪八七五五に成 是を開立に割九寸
○七二九に成 又弐斗二六九と置 是に六四
八二七をかけて千四百七十坪○九二四六三に
なる 是を円切子の法九九四四を以て
割は千四百七十九坪二〇八に成 是を
開立に割 円切子の径一尺一寸三九四に成

九六
今銀三拾四貫七百廾目を大工木引
屋根造に 此三組合人数弐百七拾五
人へ割渡す時 大工壱人より木挽一
人は外弐わり五分さがり 木引一人
よりやねふき壱人は内弐わり五分
さがりのつもりにして 大工壱組の取銀
十四貫七百廾五匁 木引一組の取銀拾
三貫○廾目 やねふき壱組の取銀
六貫九百七拾五匁 如此取申候 大工一組の
人数何程 木引一組の人数やねふき
壱組の人数何程と問
答曰
大工一組人数九十五人
木引一組人数百五人
やねふき一組七十五人
法曰 木引の銀十三貫○弐拾目ヘー二五
をかけて十六貫弐百七十五匁になる
さてやねふきの目安七五を本引
のー二五を以て割は六に成 是を
以てやねふきの銀六貫九百七十
五匁を割 拾一貫六百廾五匁になる
是に右十六貫弐百七十五匁を加て
又それへ大工の銀十四貫七百廾五
匁をも加て四拾弐貫六百廾五匁に
なる 是を惣人数弐百七十五人を以て
割は大工一人に付百五十五匁になる
是を以て十四貫七百廾五匁を割は
大工一組の数九十五人になる 又十六貫二
百七十五匁を百五十五匁を以て割
は木引一組の数百〇五人になる また
十一貫六百廾五匁をも百五十五匁を
以て割は やねふき一組の人数
七十五人と知るなり

九七
上米千六百十弐石五斗 中米千五百九十一石
七斗六升 下米千七百六十六石一斗 此三口の米を
足軽六百廾五人の切米に渡時 上米を渡し切り
中米は一人前に付 五斗八升増て渡し 是を皆渡し
切 下米は中米より一人前に付六斗弐升増て渡
筈にて中米取ものより下米取ものは六
人多し 是に皆渡し切 餘不足是なき
時は上米取人数 中米取人数 下米取人数何程
答曰 此法不及愚意

九八
羽織七十八 上下五十三具 此二口代銀八貫○八十
七匁七分払也 但羽織一つより上下一具は銀十三匁
五分下直也 別に又呉服百五拾 帷子八十五 単
物卅二買也 呉服は羽織より直段外三割増
帷子は上下より直段内四割増 単物は呉服より
直段四十八匁やすし 各直段何程そと問
答曰
羽織一つに付銀六十七匁弐分
上下一つに付銀五十三匁七分
呉服一つに付銀八十七匁三分六リ
帷子一つに付銀八十九匁五分
単物一つに付銀三十九匁三分六リ
法曰 下直の銀十三匁五分を上下五十三ヘ
かけて七百十五匁五分に成 是を八貫○八
十七匁七分へ加てハ貫八百〇三匁弐分
に成 是を羽織上下の合百卅一【羽織七十八 上下五十三】
を以て割 羽織一つ銀六十七匁弐分
に知る 此内十三匁五分を引 上下一具
五十三匁七分に成 さて六十七匁弐分と
置 是に一三をかけて呉服一つ八十七匁
三分六リと知る さて五十三匁七分と
置六をかけて割 帷子壱つの代銀
八十九匁五分に成 さて八十七匁三分六リ
の内四十八匁引 残て三十九匁三分六り単物一

九九
今圓曜直の壱廻も一経も中の一を加て
十万〇〇〇卅一並申候 是何廻何径に当り
候哉 惣書立何程にすしや
答曰
此法不及愚意候 揚輝算法な
とにも此法付ハ無之候 但し
ありかたきことなるへし


今一より次第に三百六十一迄書立 是を碁盤
の目毎に並申時 縦へも横へも角より角へも三千
四百卅九宛並合申様に仕候て直備たる図を問
答曰
此法不及愚意候揚輝算法
なとにも此法付無其外の
書には猶以か様のならへもの
の類見たふよしは算述
けいこのたすけにならぬゆへ
なるへし

童介抄巻之五目録
百色法問
搾形一問    木榒二問
数並五問    四玉二問
片狭四問    縦横一問
錐折一問    小頭廾一問
尖形二問    菱形四問
三方二問    圓形二問
平方二問    違筋一問
七玉一問    三輪一問
柄杓二問    孤形十二問
半月七問    両弧二問
引弧二問    押弧二問
畹闕二問    葉形四問
圓股二問    玉闕九問
曲闕三問    榧形一問

童介抄巻之五 野沢忠兵衛尉作
百色法問


此搾形幅一尺弐寸 厚六寸
歯三寸 竪一尺五寸是を
歯の方より弐百廾四坪六分
四厘切取て厚幅竪を問
答曰
厚四寸八分  歯三寸
幅一尺○二分 竪一尺二寸
法問


末口周六寸 糸長六尺四寸 末
周より一巻ことの延四寸宛
にして此巻数を問
答曰 巻数四からみなり
法問


末口周六寸の木に糸の長さ
六尺四寸搦む也 但末口より一巻
毎の延の寸同寸にして四巻
搦時はー巻毎の延を問
答曰 一巻ごとの延四寸宛
法問


一より十九まで書
たて 是を径廻同
し数にして 又一径も一廻
も同数になるやうにな
らべたる図如此そ
の並やうの
法問


一より十九まて書立惣数は
何ほとあるそと問
答曰 惣数百九十個有
法問


一より次第に書立 三径三廻に
当る時は書留いくつを問
答曰 書留十九なり
法問


一より十九まで次第に書立
たるを径回同数に並たる径廻を問
答曰 三径三回にならぶ
法問


一より十九まて次第に書たて
径廻同し数にならべたるといふ
時は一径一回各幾数を問
答曰 一径も一回も各六十四 但中一ヲ加
法問


貫五分五り有玉を下に三
つ置 其上に壱つのせて
その真中にて高さを問
答日 真中にて高一寸
法問


また玉を三つよせて置 其上に一つ
のせて高壱寸有 此玉貫何程問
答曰 貫各五分五り宛
法問

十一
此歩四百歩 是狭横より廣横は
四双倍にし 縦は狭横より一尺二寸
長くして縦横を問
答曰
狭横ハ寸
廣横三尺二寸
縦弐尺
法問

十二
此弦と狭横を合一尺九寸 弦と
縦とのちかい弐寸 廣横壱尺
此弦と縦と狭横を問
答曰
弦一尺七寸
縦一尺五寸
狭横弐寸
法問

十三
廣横四十間 狭横四間 縦四十五間の屋敷
を如図道幅五間明て二人に渡也 但し歩数は
西より東は内二割半すくなく渡 各間問
答曰
西縦三十間 廣横廾ハ間 歩四百八十歩
束縦十間 狭横卅二間 歩三百六十歩
法問

十四
此広横七十間 狭横三十五間 縦百廾間
有 是を三人へ如図渡に 一には千八百卅
七歩半渡 二には弐千五百七十二歩半
渡 三には千八百九十歩渡 各境間を問
答曰
一弐の境間八十七間半
一の表口五十弐間半
二の表口弦にて九十八間
二三の境間五十九間半
法問

十五
此縦三百間 横百三十弐間あり
是を四人へ等分に渡也 但表
三人は真四角の屋敷に渡す
時は各やしきの間 又道幅を問
答曰
表三人各九十間四方
裏一人横廾七間
道幅十五間宛
法問

十六
厚帽錐の切れ竪
壱尺五寸 本幅壱尺二
寸 本厚八寸 此寸坪千
百拾坪にして末厚と
末幅と各何程を問
答曰
すゑあつ六寸
すゑはゝ九寸
法問

十七
此中鈎より上三方打廻り七寸二分 下
三方打廻り九寸六分有 此中鈎を問
答曰 中鈎弐寸四分
法問

十八
此中鈎より下三方打廻し一尺九
寸弐分 此勾六寸にして股何
ほとそと問
答曰 股ハ寸
法問

十九
此中鈎より下弦まで二方合一尺一寸二分
中鈎より上弦共に八寸四分 此勾股を問
答曰
勾六寸
股ハ寸
法問


此中鈎股合一尺二寸八分 中鈎勾合一尺
零八分 弦一尺 此勾を問
答曰 勾六寸
法問

廾一
股と中鈎迄の弦と二方合七寸二分 勾と
中鈎迄の弦と合四寸八分 此弦を問
笞曰 弦五寸
法問

廾二
欠歩十六歩八分 内弦一尺七寸股
闕四寸二分 此勾股を問
答曰
勾ハ寸
股一尺九寸二分
法問

廾三
欠歩十六歩八分 外弦二尺○八分 股
闕四寸二分 此勾股を問
答曰 勾ハ寸 股一尺九寸二分
法問

廾四
欠歩十六歩八分 外弦二尺○八分 内
弦一尺七寸 此勾股を問
答曰
勾ハ寸
股一尺九寸弐分
法問

廾五
外弦二尺○八分 内弦一尺七寸 股闕
四寸弐分 此勾股を問
答曰 勾八寸 股一尺九寸弐分
法問

廾六
勾八寸 股一尺九寸二分 此内三所
合如図にして四尺弐寸有 此内
の弦を問
答曰 内弦一尺七寸
法問

廾七
内方と股と合七寸五分 勾と内方
のちがい五分 此勾を問
答曰 勾弐寸
法問

廾八
勾股弦ともに一尺弐寸 内方は
壱寸七分一り四毛三糸 此勾股を問
答曰
勾三寸
股四寸
法問

廾九
寸歩六歩有円径二寸にして此勾を問
答曰 勾三寸
法問


勾股合七寸 円径弐寸にして此弦を問
笞曰 弦五寸
法問

卅一
此弦五寸 圓径弐寸にして此勾を問
答曰 勾三寸
法問

卅二
勾股弦合一尺二寸 股と圓とのち
がい弐寸 此股を問
答曰 股四寸
法問

卅三
此寸歩七十六歩八分 圓径と勾
とのちがい壱寸六分にして
此勾を問
答曰 勾八寸
法問

卅四
勾弦合て弐尺五寸 内圓径六
寸にして此股を問
答曰 股一尺五寸
法問

卅五
此大圓径六寸 中圓径四寸 是
は勾股各何程そと問
答曰
勾七寸五分三り八毛五糸
股一尺七寸六分九り七毛
法問

卅六
圓径六寸四分 平方五寸六分四リ
七毫有 此勾股各何程そと問
答曰 勾一尺 股二尺四寸
法問

卅七
此勾股弦三方ともに打まはし
壱尺弐寸有 圓内径弐寸にし
て此弦を問
答曰 弦五寸
法問

卅八
内圓径九寸六分 股一尺六寸
にして此鈎を問
答曰 中鈎一尺五寸
法問

卅九
大圓径九寸六分 小圓径六寸
あり此鈎股を問
答曰
股一尺六寸
鈎一尺五寸
法問

四十
此ひし面一尺也 縦横圓径三つともに
合て三尺七寸六分 是をわけ各を問
答曰
縦 一尺六寸
横 一尺二寸
圓径九寸六分
法問

四一
此付合たる大圓径六寸 小円
径は三寸八分にして 此ひし面と
たてと横とを問
答曰
縦一尺六寸 横一尺二寸 菱面一尺
法問

四二
此寸歩三百十五歩 左短上下合て
弐尺五寸 中鈎二尺 此内圓を問
答曰 圓径一尺八寸八分
法問

四三
此寸歩三百十五歩 左短上下合て
弐尺五寸 右長上下合て五尺
弐寸 此内の平方を問
答曰 平方一尺弐寸二分三リ
法問

四四
股八十四間 中鈎五十二間半あり
是に道幅四間のしもく道をつけて
如図三つに等分にわけ 奥の表口を問
答曰
奥の屋敷表口四十四間九分八リ○二二
法問

四五
此三方の内圓穴の外歩三百
歩 矢各三寸 此圓穴径を問
答曰 圓径一尺一寸七分○四六
法問

四六
此圓形の内 三方穴あり
その穴の外に寸歩弐百七
十歩有 矢各三寸の時 三方を問
答曰 八寸弐分五り五毛の三方の方也
法問

四七
圓形の内 平方穴の外歩三
百歩 矢各五寸にして平方を問
答曰 平方一尺九寸
法問

四八
平方の内 圓穴の外歩九十一
歩 矢各五寸にして圓径を問
答曰 圓径四寸七分四り三毛
法問

四九
此内の三方ともに打廻し
二尺弐寸八分二リ八毛四糸 是
をめいめいにわけて尺を問
答曰 双斜弦各一尺 狭横二寸八分二リ八毛
法問

五十
右四尺 左三尺 上壱尺 下四
尺 此内圓大小径を問
答曰 小径四寸 大径一尺六寸
法問

五一
貫一寸の玉六つよせて置
其上に貫一寸二分の玉をのせ
て置 真中にて高さを問
答曰 高一寸五分五リ八毛
法問

五二
上の玉貫一寸 下一つは七分 一つは
五分 此玉重の真中にて高を問
答曰 高一寸四分九り八毛八六
法問

五三
此板上九寸 下六寸 高さ五
寸あり 是を馬ひしやくに
まげるときは口のさしは
たし何程そ このさしわた
し何程 高さ何程と問
笞曰
口径弐寸七分七厘
高尺四寸九分七り八毛
底径壱寸八分四り七毛
法問

五四
口径三寸 底径二寸 高五寸の馬柄杓を如図
ひろげて上下のそりと板の長を問
答曰
上曲七分三リ八毛
板長五寸○二リ四毛九糸
下曲三分三り一毛
法問

五五
弦三尺 矢七寸二分 此欠歩を問
答曰 寸歩百五十一歩九分二リ五七六
法問

五六
矢五寸 寸歩四十七歩一分 此弦を問
答曰 弦一尺二寸五分
法問

五七
弦二尺五寸 寸歩百八十八歩四分 此矢を問
答曰 矢壱尺
法問

五八
弧六尺九寸五分一り 歩数七百五十三
歩六分あり 此矢を問
答曰 矢二尺  法問

五九
径五尺一寸二分五り 寸歩七百五十三歩
六分あり 此矢を問
答曰 矢二尺  法問

六十
寸歩四十七歩一分 矢と弦とのち
がい七寸五分あり 此矢を問
答曰 矢五寸 法問

六一
弧五尺五寸六分○八毛 矢と径との
ちがい弐尺五寸 此径を問
答曰 径四尺一寸 法問

六二
弧六尺九寸五分一り 径と矢と合て
七尺一寸二分五り 此径を問
答曰 径五尺一弐五 法問

六三
矢一尺四寸四分 径と弦と合て一丈
三尺六寸九分 此径を問
答曰 径七尺六九 法問

六四
弦三尺六寸 径と矢と合て五尺四寸
七分八り 此矢を問
答曰 矢八寸六四 法問

六五
径四尺一寸 弦と矢と合五尺六寸 此矢問
答曰 矢一尺六寸
法問

六六
弧六尺九寸五分一り 矢弦合て
七尺有 此矢を問
答曰 矢二尺 法問

六七
此歩百十九歩三分七リ○二四 矢四寸八
分 外弧四尺一寸○六り 此内弧を問
答曰 内弧三尺四五五六四 法問

六八
此歩百十九歩三分七リ○二四 矢四寸八分
内弧三尺四寸五分五り六四 此外弧を問
答曰 外弧四尺一七〇六 法問

六九
此歩百十九歩三分七〇二四 弦三尺 外弧
四尺一寸七分○六毛 此矢を問
答曰 矢四寸八分 法問

七十
歩百十九歩三七〇二四 弦三尺 内弧三尺
四寸五分五り六毛四糸 此矢を問
答曰 矢四寸八分 法問

七一
歩百十九歩三七〇二四 矢四寸八分 此外
弧の圓径三尺○七五 此内弧を問
答曰 内弧三尺四五五六四 法問

七二
歩百十九歩三七〇二四 矢四寸八分 此内弧
の径三尺八寸四分五り 此外弧を問
答曰 外弧四尺一七〇六 法問

七三
外弧一尺○四二六五 内弧八寸六分三リ
九毛一糸 矢壱寸弐分 此歩数を問
答曰 七歩四六〇六四 法問

七四
長弧一尺○四二六五 短弧八寸六分三リ
九毛一糸 矢四寸八分 此歩を問
答曰 廾六歩四五一三六 法問

七五
寸歩廾六歩四五一三六 矢四寸八分 弦
七寸五分此長弧を問
答日 長弧一尺○四二六五 法問

七六
弧六尺六七二九六 弦五尺二寸 矢弐
尺九寸弐分 此歩数を問
答曰 九百四十八歩九八六八八 法問

七七
寸歩九百四十八歩九分八り六毛八糸八忽
弦四尺八寸 矢二尺九寸弐分 此双弦を問
答曰 双弦五尺二寸 法問

七八
弧六尺六寸七分二リ九毛六糸 双弦五
尺弐寸 矢九寸二分 此歩数を問
答曰 四百六十八歩九八六八八 法問

七九
四百六十八歩九分八り六毛八糸八忽 弦四尺
八寸 矢九寸二分 此双弦を問
答日 五尺弐寸 法問

八十
此飯櫃の闕歩十一歩九分三リ
二毛 此飯櫃のたてよこ
のちがい七寸八分五り 矢壱寸
あり 此縦横を問
答曰 横一尺 縦一尺七寸八分五リ
法問

八一
此飯櫃闕歩十一歩九分三リ
弐毛 弦壱尺三寸八分五り 縦
横のちがい七寸八分五リあり
このたてよこを問
答曰 横一尺 縦一尺七寸八分五リ
法問

八二
此葉形縦四寸 横二寸有 此歩数を問
答曰 五歩六分五り弐毛
法問

八三
此葉形たて四寸 寸歩五歩六
分五り弐毛 此横を問
答曰 横二寸 法問

八四
此葉形横弐寸 寸歩五歩六分
五り弐毫 此縦を問
答曰 縦四寸 法問

八五
此葉形たてとよこのちがい二
寸 歩数五歩六五二 此縦横を問
答曰
たて 四寸
よこ 二寸
法問

八六
径一尺 短弦五寸 長弦八寸 此両の股問
答曰 九寸九分二リ八毛
法問

八七
径一尺 弦ハ寸 登り六寸 此鈎を問
答曰 鈎一寸六分八リ
法問

八八
貫一尺の土を深一寸切て 此闕頂の歩を問
答曰 闕頂寸歩三十一歩四歩
法問

八九
王貫四尺一寸 是ヲ深一尺六寸に切て 其坪問
答曰 寸坪一万弐千八十三坪八○八
法問

九十
寸坪二万三千七百九十六坪五分 此深二尺 此貫問
答曰 玉貫五尺一寸二分五リ
法問

九一
深二尺 渡五尺 此玉闕の寸坪を問
答曰 二万三千七百九十六坪五分
法問

九二
三百七十一坪八弐○三一弐五 深五寸 此渡を問
答曰 渡一尺弐寸五分
法問

九三
渡五尺坪二万三千七百九十六坪五分 此深問
答曰 深弐尺
法問

九四
貫四尺一寸 寸坪一万二千百八十三坪八○八 深問
答日 深壱尺六寸
法問

九五
弧六尺九寸五分一り 寸坪弐万三
千七百九十六坪五分 此深を問
答曰 深弐尺
法問

九六
此玉闕の寸坪壱万弐千百八十
三坪八分零八毫有 さて此玉
貫と深とのちがい二尺五寸也 此深問
答曰 深壱尺六寸
法問

九七
此長渡八寸 短渡六寸 深一寸 此坪数問
答曰 寸坪三十九坪七分四り八毛
法問

九八
此渡三尺の玉闕也 此内又渡三
尺の玉闕の坪数を以て引
残て寸坪弐千四百三坪○五五二九六有
矢も残て四寸八分有 此内外弧を問
答曰
内弧三尺四寸五分五り六毛四糸
外弧四尺一寸七分○六
法問

九九
貫一尺の玉の深欠九分 渡欠二寸 弦
五寸六分五り三毫有 此坪数を問
答曰 寸坪三坪六分二リ六毫
法問


此榧形の寸坪五十坪を長
貫と短貫とのちがい弐
寸にして 此長短貫を問
答曰
短貫三寸九分九り三毛六糸六忽六微
長貫五寸九分九り三毛六糸六忽六微
法問

寛文四稔年次癸辰黄鐘上澣
洛城之於千書堂梓之