算用記

算用記
八算
二一   天作五
逢二進一十
三一   三十一
三二   六十二
逢三進一十
四一   二十二
四二   天さくの五
四三   七十二
逢四進一十
五一   倍双二
五二   倍双四
五三   倍双六
五四   倍双八
ほ五しつ一十
六一   加下四
六二   三十二
六三   天作五
六四   六十四
六五   八十二
逢六進一十
七一   加下三
七二   加下六
七三   四十二
七四   五十五
七五   七十一
七六   八十四
逢七進一十
八一   加下二
八二   加下四
八三   加下六
八四   天作五
八五   六十二
八六   七十四
八七   八十六
逢八達一十
九帰   加下一倍
逢九進一十
ハ算のこえをわすれ思ひ出すやう
或は三一三十一のこえを三十二か三かとし
つねむ有ときハ三三の九とかけ合てミる又
十有物を三三の九といひてあまる所を正に
定めても同前なり 同ハの段なれは八七
八十六のこえを八十五か七かと思ひわすれ
ハ八八六十四とかけてミよ何も此とおり也

引そろはんのこえ
をくにをかれさるは けむ一むとう作九一
引にひかれさるハ 帰一はい一
をくにをかれさるとは たとへハ四千四百
有を四千四にハるに四進の一十とあくれは
うへの八のひきさんなしその時四千を九に
つくり次なるほえへ八と入る是を作九の八
と云二のたんなれは作九の二六のたむなれ
は作九の六とおく

ひくにひかれさるとは
或は千を三十五にハるには三一三十一とこ
えをかけ三五の十五とひけハ五たらすその
時かしらのほへを一ひきつき成ほえへ三つ
入るゝ是をき一はひ三といふ是も五のたん
なれはき一はい五八のたむなれはき一ハい
八とをく此二のとおり引そろはんのおきや
う也
四十四和り     四十三わり
一二 加下十二   一二 加下十四
二四 加下二十四  二四 か下二十八
三六 加下三十六  三六 加下四十二
四九 加下の四   四九 加下十三
逢四十四進一十   逢四十三進一十

たうめ十六わり
一引 六二五  二一 二五
三一 八七五  四二 五
五三 一二五  六三 七五
七四 三七五  八作 五
九五 六二五
唐目一斤ハ 百六十目日本目一斤は二百五十
目 ミきの唐目千きんを目本め何きむと見
るは六四のこえにてかけ算なり又日本目百
きむをたう目なむきんとミるは六四のこえ
にてハる也六四といふハ右たうめ百六十め
をにほんめ二百五十のこえにてハれは六四
とこえ有常には二算にまハる是は一さんに
すくむ
たたしたうめになをす時はなむきむの外を
は一六とかけ百何十目とミる又日本目にな
をす時はミきのことく斤より次をハ二十五
とかくるなり
或は十二半にハること有は八のこえにてか
け算なり又十二半合するときは八のこえに
てわるなり百を十二半にわれは八のこえ出
きたる也 同二十五にわるは四のこえにて
かけよ又二十五合ときは四のこえにてハる
なり百を二十五にわれハ四のこえなり
同二つにわるハ五のこえにてかけよ
右四十四ハりよりこれまてあさき事なり何
も引そろハむにてはりあます事なししか
れとも万事さむハをきかたをほんとする
によってかくのことし 又万事算を作
出すにひきそろはんかけさむ此二つの外別
になし皆此二つのとりまはしをかんする
こともつはらなり

角成物の分をミるさん
京ますの寸口五寸四はうたけ二寸五分有此
ふむを見るハロの五寸四はうを五々二十五
となをしさて二十五にたけの二寸五ふんを
かけあはすれはい上六十二寸五分ありこの
こえにて何も角なるものまるき物のほとを
ミる也 或ハロ四尺四はうたけ七しや
く五寸あれはまつ口を四四十六となをし
さて十六にたけの七尺五寸をかけ合すれハ
い上百二十尺あり此面をミきのますのふん
かす六二五のこえにてハれハそのほとしる
なりこくの入用十九石二とう

まるき物の分を見るさん
くち一しやくあれはまハり三尺一寸六ふ有
分数をミるはくち一尺あれは寸にのへて七
しやく九す有 この七尺九寸はなにと作
出なれはくち一しやくを二つにおりて五寸
とをき又まハり三尺一寸六ふこえを二つに
おりて一しやく五寸八ふとをきさてくちの
をりたる五寸にまはりのをりたる一尺五寸
八ふをかけ合すれは七しやく九寸在さうし
てロ一尺の丸き物はかくにしてなかミー尺
よこ七寸九ふあり何もまるき物ハ其くちの
寸をとりて二尺あれハ二二の四又三しやく
あれは三三の九となをしてさて右の七九の
こえをかくれはふかす知なり

おけの分
或は口七尺そこ六尺たけ六尺二寸あれはま
つロの七尺を七七四十九となをし又そこの
六尺を六六三十六となをしさてロそこの
なをしを合すれハ八五のこえあり此八五
を二におりて四二五と定む此二にをると云
ハくちそこの尺を同し尺寸にするゆへに
二にをる也 さてミきの四二五に七九とい
ふ丸き物のこえをかけあはすれは 三十三
尺五寸七ふ半あり右のをもてにたけの六尺
二寸をかけあハすれは二百八尺一寸六ふ半
い上おけの分かす有り此面をますの分数六
二五のこえにてわるなり 又六二五にわる
よりハ十六のこえにてかけたるかちかし
こくの入用三十三石三とう六合四しやく

つほのふんをみる算
みきつほの分をミるにはかたよりうへを一
算又かたより下を一さん二度にミるなり
さて右つほの寸かきつけのことくまつかた
の次一尺五寸に一尺五寸かけ二尺二寸五
ふとなをし同中の二尺を二二の四尺と
なをし 同中のつき一尺ハ寸に一ハとかけ
三尺二寸四ふとなをしそこの七寸を七々四
寸九ふとなをしさて四所の寸のなをしをあ
ハすれハ 九尺九寸八ふあり 此面を四に
ハり一と分を正にして二尺四寸九ふ五と定
めさてミきの面に七九と云丸き物のこえを
かけあハすれハ ー九七一の五有又此面に
長けの二尺二寸をかけあわするなり 然は
い上四三三六三一のこえあり ミきのおも
てを升の分数六二五のこえにてわる也
石の入用六斗九升三合八しやくの外はこり
又かたよりうへの分ハ ロー尺をまるき物
のこえにて七九となおしさて七九にたけ
の三寸をかけあはすれは二三七のこえ有此
二三七を升のこえ六二五にハれは 三升七
合九しやく二さつい上あハして七とう三升
一合七しやく二さつ入也 ただしつほハ角
の物又をけなとゝちかい算用より二ふも三
ふもをゝくいるなり 其ゆヘハつほのなり
は所々にふくらあるゆへなり 又つはハな
りにより寸尺のとりやうきてん分別なりた
とへは三所にて寸をとれは三所の寸を合せ
そのたかさを三つにハりて一とふむを正
にさためさて七九の丸物のこえをかけ其後
たけをかけ合するなりおけのふむわりと同
算なれともミきのつほハなり不同なるゆヘ
にその出入所々の寸を取事せむなり
此ロー尺五寸に又一尺五寸
とかけて二二五あり 此面を
二九六のこえにてわる也
然は七六の一三五と算の面て有ミきの分に
ふかさの一尺八寸をかくれは一尺四はうの
すミの分にしてたけ一尺三寸六ふ八二四三
あり又ロ三すみの物にても長ミのすミにて
も常のふむの物のことく二はうの寸を合せ
其高さを二九六と云こえにてわりさてふか
さをかくるなり 右の二九六といふこえは
ロー尺四ハうふかさ一尺にてそこのなき物
のこえ也

たまなりのまるき物のふんを見るさん
或はたまのまわり五尺有 此たまかくに
なをしミるハまハり五尺の寸を四にわり扨
ハりたる一尺二寸五ふをかくにして一はう
の寸にたつなり 然ハー尺二寸五ふつゝ六
はうの角に成なり又たまのい上の分数を
ミるハ一尺二寸五ふに又一二五と一ハうの
寸をかくれは一五六二五有 此おもてにた
けの一尺二寸五ふをかけあはすれは一尺四
ハうのかくのふんにしてたけ一尺九寸五ふ
三一二五あり 又たまの中の寸一尺あれは
一尺四八うのふむかすの大形半分に立なり
こまかにわれは長ミーしやくよこ四寸九ふ
三の三九あり 又たまの中の寸一しやくあ
れはまわり三尺一すむ六ふある物なり
又たまの中の寸一しやくあれハ七寸九ふつ
ゝ六ハうのすミになる也 い上のふむかす
をミるは七すむ九ふにまた七九と一ハう
の寸をかけ其たかに又たけを七九とかく
る也 右七すむ九分と云はまわり三しやく
一 すむ六ふを四にハりて七九とす

金子のくらい高下を吹合すくらいを見るさん
一 金百三十二匁 此くらいはん一まいに
四十五匁かへ
此金目をくらいはにてハれはん二まい九
りやう三三三
一 金二百九匁 此くらい七十三匁かヘ
同右のことくわれは二まい八りやう六三
一 金四十七匁 このくらい五十七匁かへ
同しことくハれは八りやう二四五
ミきのはき付のわりたる高三口合六ま
い六りやう二の八有金目三口合三百八
十八匁あり此金目をミきハきつけのた
か六まい六りやう二の八と云こえにて
ハる也 然はくらい大はむ一まいに五
十八匁六分かへの金也

ふひきの算
一 内引分は五ふなれハ 九五のこえにてか
け算なり 九五といふハ 百目の銀を五
ふひきハ 九十五匁なりこゝをもって九
五又三ふなれハ九七とかくる又上銀を正
にしてミる時ハ九五のこえにてわるなり
すなはちあしき娘分ともにすくむなり
一 そとひきは五ふなれハ百五 一ハりなれ
は百十のこえにてはれハ上銀引残りてミ
ゆるなり 又上銀を正にしてみる時ハ
百五とかくるなり然ハあしき銀分とも
にすくむなり

りそくの算
或は十ねむさきに こめ十石を五わりのり
にてかし十ねむの本子合てミれは 五百
七十六石六とう五升二しやくなり 又右の
内百石取に 十年先の本はなにほととゝ
ミるは ミきの五百七十六こく六斗五升二
しやくのこえにて百こくをわるなり 然は
百石は十ねむさきのもと一石七斗三升四合
一夕五才同く一ハりニハりのときも右の
ことく也たとへは三ハりならハ一あるこえ
に三ハりつゝ十度りをかけまして其こえを
正にしてわりもす又かけもする也

くらはらい
或ハ千石のこめをはん金一まいに三十七石
三とう五升のねにすれは右の千石を三七三
五のこえにてわるなりすなはちこくの金高
二十六まい七りやう七三七ありたゝし此七
りやうの外七三七に四十四のこえにてすヘ
よりかくるなり然は金三匁二ふん四りむ二
もう八となをる

たのもしのりをミるさん
或ハ十人むすひて百目つゝとれはあたるひ
とのけて九百目有次の月より毎月百目にハ
匁つゝのりをそへ九月にてすます然れは九
つきに七十二匁のりそくいつる此り何わり
にあたるとミるハ一二三四五六七八九と九
月合すれは四十五月あり此四五のこえにて
右の七十二匁のりそくをねるなり然は一分
六のつき子にあたる也たゝしひとかすを
ほきほとりそくやすくあたるなりたとへは
ひとかすをほくても又り分にかう下ありて
もとりまわしハミきのことくなり

さいく作りやう高下を分るやう
或ハ上手千人  中せむ人 下千にむ
い上三千人にさくりやう三貫目渡
右上中下 二わりさかりにハりつくるに
先中ハ千人をニハり引八百三十三にむ三三
とをき 又下ハ二ハりつゝ一と引て六百九
十四にむ四四とをきさて上手千人と三口合
二せむ五百二十七人七七のこえにて右の三
くわん目の銀をわるなり別してちやうす一に
むに一刄一分八りん六もう八一九つゝあた
るなり 然は
上手ハー貫百八十六匁八分一りん九毛
中ハ 九百八十九匁四もう
下は 八百二十四匁一分七りん四毛
右のとをり二わりによらすなんわりにて
も又ハ人数の高下有てもとりまはし
かくのことし

けんちさをのうちやう
右よこてを二合て二十一間五尺
有此五尺を六のこえにてハり付
れは二十一間八三三有是を二に
おり十間の九一六六と定又長ミ
四十八間四尺あり此四尺を六の
こえにてハりつくれは四十八間
六六六これに右のよこてをかけ
合也然はい上のふかす五百三十
一ふ二六七ありたゝ一ふの外をは六のこえ
にてすえより尺になをすなり
此よこて十八間二尺あり此二
尺を六のこえにてハりつくれ
ハ十八間三三三有是を二おり
て九けむ一六六と定さて長ミ
の三十一間をかけ合すれはい
上のふかす二百八十四ふ一四
六ありたゝし四ふのほか一
四六に六のこえをかけ尺寸に
なをしミるなり然はい上二
百八十四ふ八寸七分六あり右田の面さをゝ
打事せむなり算ハかわる事是なし

ほりふしんのハり
或はほりのロ十間そこ八けむふかさ六けん
なかミ六十三けんあらハ先ロ十けむそこハ
間を合せこれを二にをりて九けむと口を
さたむるさてくち九けむとふかさの六けん
と六九五十四とかけ算なりさて五十四にな
か見六十三間をかけ合すれは三千四百二つ
ほありたゝし六尺六方のけむかすにして也
右の三千四百二けむを尺にのふれは七お
く三万四千八百三十二尺ありたたし六しや
く六方のあいた一つほにしやくかす二百十
六あり土は一人して大形一尺四方もつなり
又一尺四方の土十二貫目有ミきのつちをは
こふに三十六ちやう一里にして一 日に七里
ほとあよむしかれハ七里のちやうかす二百
五十二町つちハこむ所或ハ一町あれはゆき
き二町あるにより一日に百二十六かもつ又
ハこふ所十ちやうともあれは一日に十里
ほとあよむ其ゆヘハ近きほとつち数をゝく
もつによりつちをうけ又土をゝろすにひま
つえるなりさて右のけんかすを知きやうた
かにてハり付其こえをかう下にかけさむ也

のほりさかふしんのハり
或はちとをり 百五十間たかさ七十五間
右のふしんはたとヘハ七か国へあたり
七くミ知きやうの高下にわたる
一番 四十三万六千石 二はん六十八万石
三番 二十万三千石  四八む五十二万石
五番 三十二万五千石 六番三十万七百石
七番 十万七千五百石
合二百五十七万二千二百石
右ふしむハのふかす尺にして二十万二千
五百尺あり
右の尺千石に付て七十八尺七寸二六三当る
此ちとおり一三間一尺ハ寸ニふ
同  二十三間五尺一分
同  ハ間九寸七ふ
同  二十四間三尺六寸九分
同  二十けん一尺九寸八ふ
同  二十九間五寸五ふ
同  三十間三尺九寸八分
右上りさかのハりかくのことく書にのする
といへともこえを付て知るす事なし
そのゆへは高さ又ちとおり五寸一尺ちかい
てもさんの次第ちかうなりさむを知りたる
ものにあひ尋へし

町つもりミたてやう
たとへはむかうに一丈の木を立是まてなむ
町あると見たつるは二尺の定木をもってひ
ちをハなし我か目と手との間二尺のへて扨
むかうなる一ちやうの木をかねにてため合
せたとへは一ふ半とミ合るにをいては右の
一丈のこえをミたてたる一ふ半のこえにて
ハるなり然は六六六のこえあり又此六六六
のこえに目と手との間二尺のこえをかけ合
るなり然ハ千三百三十三尺有けんになをせ
ハ二百二十二間是を六十六間一町になをせ
は三町三段あまりあり又むかうにミたつる
正なきときんハ人を五尺とミてつもるなり
又むかふに或はたかき山か又たつきにても
有其たかさをミ立るには其たつきの本より
間を打或ハ五十間あらハ三百尺となをし
さてむかうのたかさをかねにてためあはせ
たとヘハ五寸あらは右の三百しやくのこえ
にて三五の十五とかけあはせさて十五を二
わる也しかれはむかかいの高さ七ちやう五
尺あり右の二とおりのためやうかくのこと
しといへともかねにてため合する事せむ
也あるいは一寸を百にハり一ふを十にハ
りて一と分ほとちかひても大にちかうなり
又ため合る時目よりてをさしのふる事二
尺出すに一ふ二分のへちゝみあれはこれ
も大きにちかうなり又二にわり二かくると
云は目よりてを二尺のへてミるによって二
のこえあり
此外算ハ色々ありといへとも手前に用
ゆる算是あらハ作りて用ゆへし作とは
右の書にある四十四ハり三わりのことく
引そろはんにて作りそのこえを正にする
なり一せつ引きそろはむにてあます事
なし
右の面に一の二 又五の六なとゝ数の
内に のと入ることをゝし のと入る
はほヘーつへたゝりたる所へ のといる
なり