諸勘分物

目  録
一材木の分直し
一同大小の直し
一平材木直し
一同三角の直し
一丸木木口直し
一中すみしらす
一同木口なをし
一同おしなをし
一同なをし
一材水銀を直し
一鎗のえ延し
一六方同に直し
一太鞁成を角に延し
一同成丸く延し
一玉成を角に直し
一同成けづらずに直し
一六方同尺を玉成に直し
一同成けつらぬ先知
一栗石の分積り
一同半玉成の直し
一同断
一切石の分積り
一堀普請色色
一角坪堀
一検地歩直し
一切なわ三つ
一金薄分直し
一同入する直し
一京桝のさた 一六方指物に升物入直し
一ひかき成に同断
一ひし成に同断
一扇地かみ成に同断
一三角指ものに同断
一丸ものに同断
一櫃成に同断
一半ひつ成に同断
一平そこなしに同断
一四方底なしに同断
一丸そこなし同断
一三角そこなしに同断
一玉成無口に同断
一半玉成に同断
一角切りに同断
一六角指物に同断
一八角指物に同断
一亀成に同断
一ふくべに同断
一鶴首に同断
一材木入する直し
是はロに候へ共
失念にておくに
かき申候
合五十三ケ條

諸勘分物第二巻
材木分直し
五本長さ三間六寸角
直し十六本一丈一尺三寸七分半
是は右の木を長さニ間に
大さ四寸角に直す時には
長さ三間に六五をかけて
ふとさの六寸二つ六六三十六
をもかけ候得は七欠二の分
数に成是に又五本をかけ候へは
三五一の分数是を直し木
のふとさ四寸二つ四四十六を
以割ふとさ四寸に長さ二十一丈
九尺三寸七分半是一丈三尺に
はり十六本一丈一尺三寸七分半也

同大小有
三本長さ四間にふとさ五寸角
五本長さ三間に大さ八寸角
右二口の直し三十九本欠四尺八寸七分半
是を直す時には如右三本の
分数一九五又五本の分
数六二四二口八一九是を
四寸角の木口四四十六に
はり五十一丈一尺ハ寸七分半
又一丈三尺にはり三十九本四尺八寸
七分半如斯色色有之には
一色つつ直し尤也分数加様
悪敷候へは相違あるへし

同 平 物
一枚長さ二間半はは三尺
厚さ五寸有
直し十一本欠九尺三寸四分
是を長さ三間に四寸角直す
時には如右直し分数二四
三七五有是を直し木口
四四十六にはり十五丈二尺
三寸四分又一丈三尺にはり
十一本欠九尺三寸四分也

同六寸三角の木
一本長さ四間六寸三角
直し二本三尺二寸五分
是を長さ二間に四寸角に
直す時には長さ半分
捨二間に六五をかけて
又六六三十六をかけ四六八
是を直し木口四四十六に
はり二丈九尺二寸五分に成是を
一丈三尺にはり二本三尺二寸五分

材木代銀指引
百本長さ三間大さ五寸角
此銀三百目一本三匁つつ
直し百二十三本二尺一寸七分半
右の木内内直成候処に
木ほそく長さ三間にふとさ
四寸五分角有右の大角
百本の方に小木何本
にて取を見には右大角
一本の分数四八七五扨又
小木の分数は三九四八七五
残は九二六二五の欠を取には
小木の分を以大木の
分をはり大木百の方に
小木百二十三本一八欠三七五
此一八欠三七五を小木の木口二矢
二五にはり八尺九寸の切れ一本有

同人する直し
八十本長さ五間五寸角
直し百五十六本六尺五寸
是を長さ四間にふとさ四寸角
にて取には大木分数ハ一二五
扨又小水分数四一六是も
如右小木の分にてはり
一九五三一に成又八十本を懸
侯得は百五十六本二四八にて
取也此二四八はかりを四四の
十六にはり一尺五寸五分
問丸木木口直し
一本下末ならし中すみ八寸
ありけつり立何寸の角に
成を見るには八寸を十四に
割五寸七分一りん四方の角に成

同中すみ不知
一本下末ならし三尺五寸
まはり有り是をけつり立
何寸四方の角になるを
見る時には三尺五寸を三十
二に割中すみ一尺欠九分三りん
是を又十四にはり七寸八分一りん
四方の角ものに成同四四八の
音にて割ても同前比音
可秘也

同木口直し
五寸角有丸木の時には
何尺廻りの木を見るには
三十二をかけ又十四をかけ
二尺二寸廻りの木也同右
の四四八のこえにてかけて
も同断是は可秘也

同押直し
一本中すみ一尺の木有
丸木をけつらすにその
ままおしなをし平をおし
こみ角へおし出し何寸四方
の角に成を見る時には
一尺に八九四四四四の音をかけ
ハ寸九分四りん四四四四方の角
になる

同押直し
一本中すみ一尺の丸木
是をけつらすに五寸角に
直し何本に成を見るには
ハ寸九分四四四四の角を五寸に
割左右に立てかけ三本二歩
に成此二歩は何寸四方ある
を見るには二歩に五の音
をかけ一寸四方の木也

鎗 の え
一本長さ三間下四寸すへ
三寸廻り是を下末なしに
三寸廻りにして下のふとさを
末へのはし何尺延るを
見る時には下末ならし
三寸五分廻りなり是を三十二に
割一欠九三七五是を左右に
立てかけれは一一九六二八九也
是を八の音にてなをし
九五七欠三一二是に長さ一丈
九尺五寸をかけ一八六六二一
になる扨又三寸はかりを三十二に
割九三七五是を左右に立て
かけ侯得は八七八九欠六二五是を
八の音にて直し七欠三二五に成
此音にて右の一八六六二一を割
候得は大さ三寸廻りにして長さ
ニ丈六尺五寸三分六りん是を
六尺五寸に割四間五寸三分六りん
に廷る

同鑓のえ
一本長さ三間にもとすへ
ならし三寸五分廻りあり
是を六方同尺角ものに
ちちめ何寸の角に成を
見るには三寸五分の中すみ
一寸欠九りん三七五あり是を
十文字かけ又八のこえにて
なをしそれに一丈九尺
五寸をかけれは一八六六二一
になる此分数にあひ申
ほとにちちめ外輪にて角
ものを仕立くらふるなり
五寸七分一りん五同尺の角に
ちちまるなり

太鞁成の木
此成の木中すみ五尺八寸
高さ一尺五寸有り是を
四寸角になをし長さへ
延し二十五丈二尺三寸に成
是を直す時には五尺ハ寸を
十文字にかけ扨又八の音
にて直し高さ一尺五寸を
かけ四丈欠三寸六分八りんの分
数有り是を長く廷る時は
四寸四方は四四の十六也此十六と
長さとかけ合四丈欠三寸六分
八りん有やうに外輪にて廷す
六尺五寸間に延て見れは三十
八間半二尺五分に成是よりも
早き延様虎巻に有之

間尺の木
此成の木下五寸廻り末口にて
三寸廻りにして長さへ延し
三百二十二丈九尺四寸四分になる
六尺五寸間にして四百九十六間
半二尺一寸九分是も分数は
右同断四欠三六八有四寸廻り
の分数見るには四寸の中すみ
一寸二分半是を左右に
たててかける一五六二五有り
是に八の音をかけ一二五の
分散なり此分数と長さ
とかけ合右四欠三六八の分
かすにあひ候やうにのふる
是もはやき仕やうは虎巻
にあり

玉成の物
此成のもの廻り三尺是を
六方をけつり角ものに
直し何寸の角に成を見る
時には三尺を三十二に割
又十四にわり六寸六分九りん六の
角に或る右丸木木口直しに
同前是も四四八の音を可
用也

同成のものけつらすには
三尺廻りを三十二に割中すみ
九寸三分七五有り是をけ
つらすに平へおしこみすみへ
おし出し角に直し何寸六方
を見るには八九四四四四の音
をかける八寸三分八りん六方の
角になる

六方間尺角もの
三尺六方有り是を角角
をけつり丸目玉成に
直し何尺廻りの玉成に成を
見る時には三尺に三十二
をかけれは九尺六寸廻り
の玉成になる

同尺角物
三尺六方有是をけつらさる
さき玉成の時は何尺廻り
のものしるには三尺に三十
二をかけ又十四をかけて
一丈三尺四寸四分の丸もの也

栗石分積り
是を坪に直す時には長さの二尺
を六尺五寸に割三欠七扨又はは
の一尺をも六尺五寸にはり
一五三扨又高さ五尺八寸をも
六五にはり八九二に成この割
たる音をそこそこの間の
下へ加へ長はは如常にかけ
あはせ高さをもかけ候へは
坪数五十一坪半に成
同此石にて石垣のうら石
厚さ一間半なれは一五の
音にわり三十四間と二尺一寸
六分六りんのいし有り乍去大
石の長さにより多少可
有也

同栗石半玉成
此成にうつし置石を
坪に直す時には先地はだ
の中すみを見るにはあし
くらべ高さは長くらべ
にて尺寸を見る足くらべ
とは中すみの長さほとに
限にて間を打長くらべは
高さほとに間をたててくら
ふるゆへなり積やう足
半分あるやうに高さを
つむへし扨又是を坪に
直す時には地はだの中すみ
五間に右に有之八九四四四四
の音をかけ候得は四間四七二二二
四方有り是を左右に立てかけ
分数二十歩に成是に右の四間
四七二二二の半分二間二三六一を高
さにして又かけ候得は四十四坪七
二二二此時坪のすえ何尺四方を
見る時には六五をかけ四尺六
寸九分四りん三四方のはしあり

同石半玉成
石積様右同断然共如何
にも念を入こまかにする
時には無角につみ廻り
の地はだの間をうち十
六間有り是を三十二に割
五間則是を地はたの中
すみにする此五間に一六を
かけ打こしにする三所の
間を無相違究其後
坪に直す時には右同断四十
四坪七二二二に成也

切石分直し
二十面
長さ二尺
はは一尺五寸
六五にわり三矢七六九
同二三矢七六
此坪四二
三十面
長さ二尺五寸
はは一尺一寸
同三八四六一
同一六九二四
此坪一坪九五二七七
五十面
長さ三尺
はは二尺
同四六一五三
同三欠七六九
此坪七坪一欠欠四
十面
長さ二尺
はは一尺
同三欠七六九
同一五三八四五
此歩四七三三六
合百十面
此坪十坪欠九四六五三
此積りを以石垣つかさる以前
幾坪の石有之を見る也此
分積りは右にある材木分直し
に同前

堀 普 請
長さ百八十間にはは十間深さ
十間是を知行高五千石に
渡す役のもの百五十人間場
干石に付て三十五間つつ役の者
干石に付三十人つつ日積りは
右の人数にて七百十一日又
百四十八人にて一日扨又一人にて
日半持候て土三荷四升余


一番四十二間  千二百石
外二間半広し四十四間半也
二番三十五間  千石
三番五十三間半 千五百石
四番四十五間半 千三百石
外二間半広し四十八間也
合百七十五間
合五千石
千石に付三十五間つつ
外五間有
是は両ははの所にてふかさ十間一間に付
半間つつこはいに引都合百八十間也

右坪に直す時には
百八十間にはは十間ふかさ十間の
やけんほり長さの内両はは
の所にてふかさ一間に付半間つつ
こはいに付五間引残百七十五間
を半分捨半分にふかさ十間
はは十間をかけ惣坪数ハ干
七百五十坪に成

同上積り
右の高に四十三石九斗四升を
かけ三十八万四千四百七十五石也

同荷積り
右土高を一荷に一斗二升
つつなれは十二にわり三百二十万
欠三千九百五十八荷四升に成
濡土一斗二升は重さ十二
貫目也扨又一尺四方の土を
一荷に当一斗六升つつに割
旁旁も有之是は山なとを
引ふしん取廻し易所をは
尤也大堀なとは日にまし
ふかく成水出次第次第にはか
ゆかさるを以如此也

日 積 り
土場遠さ三町有一日に一人にて
三十ふりつつ持候得は行戻百八十
町也是を三十六町道一里直し
五里也此三十荷を人数高
百五十人にかけ候得は一日には四千
五百荷つつ将也此時右荷
高を四千五百荷に割候得は
右の人数にて七百十一日と扨又
百四十八人にて一日抜又一人にて日半
持候て土三荷四升余役数合
十万六千七百九十八人半役に土三荷
四升余然所に土場遠けれは
道をも遠くすへし扨又
道ちかく候はは互にちかくすへし
子細は土場遠けれは入間うつ
すまのかすすくなくすき鍬
のすくなく持手多し拉又上場
近けれは度度入うつしに
立留り土場へ通ひ重くすき
くわ多く持手少しこまかにしる
すにおよはす道をはちかく割付
へし道遠く荷を重く侯へは
普請成兼於其時勘定の
下手に成上下の人の受批判
可覃赤面扨又普請場により
ふかき所をはひろく渡し高き
所をはせまく渡す是は下下にては
不可計御意を以後目録
にすへし此割様は則(別)ものに
有之込上け込下け也

角 坪 堀
如斯の堀には角を両方へ
渡す堀の内の方士上るに付て
一方へ渡し候得はすみは他の間場
より持廻り侯故すみをうけ取もの
迷惑たるへし此朱引にて
両方へ渡し侯ても角はよの間
場よりも六間遠し六間はかりには
あるへからすほりのはは広
ほと次第に遠し何も角をは
くじ取尤也奉行相談にて少
こみをくわへ候て可然か
是を坪に直す時には外二折二百
八十間の内二十二間半引残二百五十
七間半を半分捨て百二十八間七五
有はは十五間をかけて地はだの
坪千九百三十一坪二五に成又ふかさの
七間を懸て一万三千五百十八坪
七有是に四十三石九斗四升を懸
土五十九万三千八百七十六石四斗
九升一合也知行に割付又荷積り
日積り何も右同前

検地野帳
三十二間に二十三間  八郎左衛門
此畝二段四畝十六歩
三十五間に十間半  善  吉
此畝一段二畝七歩半
四十間半に二十三間  後藤左衛門
此献三段一畝一歩半
合六段七畝二十五歩
但一段三百歩也
一石二斗代
此米八石一斗四升

同切なわ次第
是を歩に直す時には
はは合二十二間三尺
此二十二間三尺の間より
すえ三尺はかりを六五に
はり四六一五に成是を
間のしたにくわへ候て
合二十二間四六一五
是を二つに割
十一間二三欠七五に成
扨又長み四十九間三
尺是も三尺はかりを
六五にわり四六一五に成
是をも合四十九間
四六一五に成是に右
のはは半分の十一間
二三欠七五をかけ
合五百五十五歩也又
段に直し一段八畝十五歩

同三角切なわ
是を歩に直す時には
二十間を十間捨
残十間と十八間
をかけ候得は百八十歩
か様の所をは半分
すつるなり
是を畝に直し六畝歩
になる

同丸切なわ
是を段に直す時には
此朱引を十文字に
かけ又八の音にて
なをし四百二十
三歩に成是も段に直し
一段四畝三歩に成
右三か條の外田の成様様
有之共大かた此心持にて
分別すへし

金蒔直し
三寸五分薄千枚有
直し七百六十五枚六二五に或
是は三寸五分を四寸に直すには
三寸五分を四寸に割左右
に立てかける小薄千枚は
七百六十五枚六二五になる
此六二五とは何寸四方を見る
には六二五はかりに四の音を
かける二寸五分四方の切れなり

同人する時には
千枚の欠二百三十四枚三
七五是に千枚加へ千二百
三十四枚三七五に右欠
二百三十四枚三七五をかけ
欠の小薄を大薄に直し
二百八十九枚三歩に成合
千二百八十九枚三歩にて
取遺すへし

京枡十合人
ふとさ五寸四方にふかさ二寸
五分米積りの時には五寸
を左右に立て五五二十五
とかけ又ふかさ二寸五分
をもかけ六二五の分数
に成是に一六の音にて
直し十合入此音に一六を
かける事は六二五の分数
又六二五にはるゆへなり

六方指物
一間六方有一間は六尺五寸
是も長はは六尺五寸左右に
たててかけ又高さ同尺
をかけ一六をかけ候得は
四十三石九斗四升入此外長はは
不同有之共同断

ひかき成
長さ四尺五寸はは三尺ふかさ
二尺五寸の角ものにして
如常かける升目三石六斗
入このひかきは角物同前
に候得其はは尺指様朱引
為見かためなり

ひ し 成
此ひし成に升物積時には
いつれにても半分捨三尺一寸に
はは三尺ふかさ二尺五寸如常
かけ合升目三石七斗二升
入同そこなしの時には右の
三ケ一入然共そこなしには
ふかさの朱引はだけくらべ
にすへし

扇地紙成
地かみ成の分数見る時には
外のたはみ三尺五寸内の
たわみ三尺二寸合五尺七
寸是を二つにはり二尺
ハ寸五分を長みにする
扨又はは一尺五寸と一尺
二寸を合二尺七寸是も
二つに割一尺三寸五分の
ははに成則長はは左右に
たててかけ侯得は三八四七五
是にふかさ二尺をかけれは
七六九五に成是に如常に
一六をかけ候得は一石二斗
三升一合二夕入そこなしには
右同断にて直す

三角指物
斯成入ものの中すみを隠し
角の寸にて積時には中
すみをみるにはすみの寸を
一おり引して中すみにする
扨又すみを隠し中すみはかり
にて角をたつぬる時は
一割増してすみにする然
処分を見るには中すみを
長にして又すみの半分
ははにして双方つねのことく
かけふかさ三尺をもかけ
一六をかけ升目三石二斗三升
四合入

丸物に升目積り
指渡し三尺左右にたてて
十文字かけ又八の音にて
かけ又高さ二尺をかけ
一六をかけ升目二石三斗
四合入自然桶樽にて底
せまく侯はは口そこをなら
すへし扨又こしにふくら
あらは三所をならすへし
併是には口伝有

櫃成に升物人事
斯成は丸くもなく角にも
あらす是は両はしは丸
ものひとつにする中をは
角物にしてい上入もの二
なり丸のなかすみ一尺
如右一一の一とかけ又八の音
にて直し高さ二尺をかけ
一六をかけ丸ものの所に
二斗五升六合入扨又角をは
五分ばかりを三つに割
一分六りん六是を一尺の下へ
くわヘー尺一分六りん六是に
高さ二尺をかけ角の所に
三斗二升五合三ター才入都合
五斗八升一合三ター才入也ひつ成
曲尺のさしやうに念を入へし
先丸き所のさし渡しの寸を
さためさしわたしからすみ
えのなかさは則さし渡しの
半分ある所を用へし
扨又中の角にもふくらな
くは二所の長ははにてす
へし

同半植皮
是は丸物にてもなく角物
にてもなし丸もの半分と
角ものひとつい上入もの二つ
にする一尺と五寸とを一五
の五とかけ又ふかさ二尺をかけ
八の音にて直し一六をかけ
丸もの半分に一斗二升八合入又
角の所いつれも右に有之
角もの同断都合四斗五升三合
三ター才入なり

平 無 底
是は口四方にしてそこひらく
成はかますのことくそこなし
口三尺五寸四方の角ものに
積り右にある三角鱗形
同前是も角ものに半分入
然共いろこかたをわきへ
見するゆへに別の入ものの
やうに見ゆる升目三石四斗
三升入なり

四方無底
此成はロ四方にして底迄も
同成にて尖是も常の角
ものにして三尺五寸四方かけ合
ふかさ三尺かけ升目を究
大目引三ケ一入一石九斗六升入

丸底なし
此入ものは口丸くして
そこ迄も同しことく竹子
成にして尖是もまる
ものの積りにして大目引
三ケ一入也一石五斗六升八合

三角底なし
此成の入ものロ三角にして
そこまても同ことくにて
とかる是はそばのことく
三すみにして右いろこかた
の入ものに三ケー入升目
一石七升八合の積りに入なり

玉成無口
此成の入もの玉成にして
くちなし是に升物
を入て口をふさくくち
なきゆへに内のりの
かねをさす事なるへ
からす此入もの積る時は
外廻りのかねさし三尺三寸
二分八りん有り是を三十
二に割中すみ一尺欠四分
このあつさは長くらへにて
二分有り一はいにして四分
あつさに引残一尺の内
のりに成是を一一の一と
かけ八のこえにてなをし
侯得は八の音になる是に
又八のこえをかけ六四に成
是に一六をかけ侯得は
一斗欠二合四夕入これに
かきらすうちのりしられ
さるものをは取廻し同前

なへ成半玉
此成の入ものなへのことく
そこ丸くしてそこなし
ロの中すみは一尺有如
右十文字に一一の一とかけ
八の音にて直し則八の
分数に成ふかさ四寸をかけ
一六の音にて直し五升一合
二夕入ふかさ五寸を四寸に
する事は口一尺か八寸に直るに
付半分有ゆへに如此若又
ふかさ口よりも尺をくらへ
多少あらは口伝有

角切指物
此成の人もの三尺五寸四方にふかさ
三尺の角物に積り升目
五石八斗八升入此内すみ
にて六寸つつ四すみにて
切此すみの六寸を角ものに
して四寸二分八りん四方に成
この四寸二分八りん四方にふかさ
六尺の升目一斗七升五合
八夕五才也右升目高の
内にて引角切には五石七斗
四合一タ五才入但六寸の寸は
角もののすみからすみへの寸なり
就之如此すみのふかさを
一はいにするは四寸二分八りん四方に深さ
三尺の入もの二つあるゆへ也

六角指物
斯成の人もの一すみ長さ
二尺有り是にて一八の音
をかけさしわたし三尺
六寸同二尺に一五の音を
かけはは三尺に成此三尺六寸
はは三尺の角ものにして
如常かけ合ふかさ三尺を
かけ一六の音にて直し
升目五石一斗八升四合入也
同そこなしには是も三ケー
入也こまかにしるすにを
よはす

ハ 角 指
此入ものは三尺五寸四方の
角ものにふかさ三尺如常に
かけあわせ升ものを入て
そのうちを四つのすみを
引には一尺四寸五分ハりんを
十四に割一尺欠四分一りんの
四方にふかさ六尺の升目
一石四升欠欠一才引ハ角
ものには四石ハ斗四升入是は
右にある角切に同前同
そこなしの時には右何も
同断是も三ケ一入然とも
曲尺のさしやうには入ものの
中よりちうにたてて長くらべ
にすへしかわの高さ
にてとれは相違ある
へし

亀成の入物
此成の入ものには四所の尺を
合て五尺四寸是を四つに
割一尺三寸五分を正に
して是を左右にたてて
かけあわせ一八二五に成是に
八の音をかけ一四五八の
分数になる扨今ふかさ三
尺をかけ四三七四に成是に一
六をかけ升目六斗九升九合
ハタ四才入但かねのさし所
四所にはかきるへからすふくら
すほりその入ものにより候て
分別すへし但中すみ
一尺付て五分ましの口伝有

ふくべ成
此成の入ものの分数見るには
八所の外廻り合六尺五寸也
是を八つに割八寸一分
二りん五の廻り也此中すみ
見るには三十二にわり二寸
五分四りん此厚さ二分を
引には二寸五分四りんの内を
四分引残二寸一分四りんの
うつのりの中すみになる
此二寸一分四りんを左右に
たててかけ候得は四五七九六
に成是を八の音にて直し
三六六三六八になる是に
ふかさ八寸をかけ二九三欠九
四四あり是に一六を掛
四合六タ八才九入乍去か様の
直しやうは古流にて入すこし
ふとしさし渡し一尺に付で
五分つつかねのちちみにまし
升にも能能念を入無相
違様にすへし

鶴    首
斯成の入もの分数見るには
外廻り八所のふとさ合六尺
六寸五分あり是を八つに
割ならし八寸三分一りん二五に成
此中すみ指渡し見るには
八寸三分一りん二五を三十二に割
二寸六分比内をあつさ三分
あれは右同取廻し六分引
内のりさしわたし二寸に成
此二寸を左右にたてて懸
合又八の音にて直し三二の音
になる則ふかさをかける時は
右つるくひの外廻りたわ
み長さ七寸内のたわみ長
さ四寸合一尺一寸有り則
二つにはりたわみをのし
五寸五分是に首下の八寸
をも加ヘー尺三寸五分是に
右の三二をかけ扨又一六
の音にて直し升物六合七夕
一才二入なり是もかねのちちみ
の心持右同断

右分の物大形如此
乍去此外何条村木
入もの有之共右の
心を以分別すへし
割物なとのことくに
早く無之共無相
違様に曲尺に念を入
延へちちめの所失念候て
は一代の可為恥辱
者也

元和八壬戌暦
二月三日 百川治兵衛 花押
弟子衆中

四因積歩法
間積百九十二歩有り是を縦より横は四間短し
縦横幾何と問
答曰 縦十六間
横十二間
法曰積百九十二歩を四倍して七百六十八歩と成る
是を立て差四間を掛合四四十六を加へ積合
七百八十四歩と成る是を開平して二十八間と
成る内国間を減して二十四間と成る是を
二つに割は則横の十二間也是に差の四
間を加へ縦十六間
切方記左

丸木木口直し
廻り三尺の木四方けつり角に直し
何寸の角に成申候哉
答曰 六寸七歩一厘三毛一弗
法に曰三尺を三一六にて割は中すみ九寸四歩
九厘三毛六弗七と成る是を一四一四二を以
割候得は六寸七歩一厘三毛一弗四方の角に成る

三方錐積
三方錐下た三つ三面にして上一つにて留り惣数を問
答曰 惣数十
法曰三と立二を加へ又別に三と立一を加へ双方掛合
四五二十と成是に下の積三を掛二三六と成る
是を六を以割侯へは十と知る下の積数何程
有之候共其数に一を加へ又別に二を加へ
掛合又下の数を掛六を以割候へは知る
一加二加方再相因して下三個にして六帰して十個也

四方錐積
四方錐下四つ四方にして上一つにて留惣数問
答曰惣数三十
法四と立半を加へ四五と成る又別に四と立一を加へ
双方掛合二二五と成る是に下の積方四を掛
九と成る是を三を以割候へは三十と或る下積数
何程有之候共其数に半を加へ又別に一を加ヘ
又それに下の積方の数を掛三を以割候へは知る
半加一加方再相因して下四個にして三帰して
三十個也

鈎 股 弦
一、弦を見る股の四寸を掛合四四十六と成る是
に鈎の三寸掛合三三の九を
入る二十五と成是を開平にて割は五五二十
五弦五寸と知る也
一、股を見時は弦の五寸を掛合五五二十五と成
是を鈎の三寸掛合三三
九を引残十六と成開平に割は四四十六四寸
と知る也
一、鈎を見るも股を見ることく弦を掛合て股の
四四十六を引取残を割候へは知る