最上流算術免許状(A certificate for mathematician)


嘉永4年(1851)正月 小野左金太忠義 発行

DATA
和算では各流派により,算術習得段階に応じて免許状が与えられた.
関流では見題(初級),隠題(中級),伏題(上級)などの免許状がある.
和算の館蔵のこの免許状は最上流のもので,初伝とあるので初級クラスのものであろう.
元師会田算左衛門安明とあるのが最上流の創始者である.
会田は自分の算法を天生法と名付けた.
免許が与えられた内容は釋鎖法,乗除加減法,文義之法,之分術,分合法,換式法である.
免許発行者は小野左金太とあるが,宛名の部分が破損しており,誰に与えたものかは残念ながら不明である.
小野左金太は松代藩勘定方で,弘化2から慶応年代まで最上流和算塾を開く.
門人として知られているのは井堀勇右衛門という人物である.
和算の館蔵
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